「32メートルの直走」― 名手イチロー、5.3秒の“5つ星キャッチ”に米脚光
米大リーグでは今シーズンも数々のスーパープレーが生まれたが、MLB公式サイトは2017年を振り返る特集で各球団の名シーンを紹介している。マーリンズでは、イチロー外野手の「5つ星キャッチ」が選出。当時はMLB動画紹介サイト「Cut4」が動画付きで紹介した名プレーが再び脚光を浴びている。
一流の打者であり、守備職人のイチロー…MLB公式サイトの名場面に“あの超美技”選出
米大リーグでは今シーズンも数々のスーパープレーが生まれたが、MLB公式サイトは2017年を振り返る特集で各球団の名シーンを紹介している。マーリンズでは、イチロー外野手の「5つ星キャッチ」が選出。当時はMLB動画紹介サイト「Cut4」が動画付きで紹介した名プレーが再び脚光を浴びている。
打つだけじゃない。これぞ、背番号51のワザだ。5月3日の敵地レイズ戦。10-6とリードして迎えた9回2死一塁だった。右打者ソウザ・ジュニアが打ち上げた打球は、一塁後方の右翼線寄りのフェアゾーンに舞った。これに対し、チャージをかけたのが右翼手イチローだった。
長打警戒でやや深めに守っていたが、衰えない俊足で猛ダッシュ。目を切らすことなく落下地点を見極め、足から滑り込んだ。そして、地上10センチほどの地面すれすれで黒のグラブで見事にキャッチ。試合終了のファインプレーとなったが、イチローは何事もなかったかのように颯爽と引き上げていった。
MLBの解析システム「スタットキャスト」は守備位置から107フィート(約32.61メートル)を5.3秒で走ったと分析し、キャッチ率21%と算出。「5つ星」の評価をつけた。当時は「Cut4」公式ツイッターも映像付きでファンに紹介。映像を見ると、何よりも凄いのは正確に落下地点を予測し、32メートルの距離をブレることなくまっすぐに走り、捕球していることである。
実況、解説ともに大興奮で伝えたスーパープレー。長年の経験から裏打ちされた技術、読み、そして、それを体現する肉体。イチローが一流のバットマンのみならず、一流の守備職人であることを改めて証明していた。