練習1時間で準優勝? 保木、廣田組が苦笑い「結果が出ちゃったという感じ」
結成の指令は「どういう狙いかも聞いていない」…思わぬ成果を生んだ副業の今後は?
明確な目標を掲げて組んだわけでもない。保木は、5月に男女混合国別対抗戦のスディルマンカップに参加していた際に、混合ダブルスでエントリーしたことを日本代表のスタッフから聞いて驚いたという。「正直、どういう狙いなのかも聞いていない」というほどで、日本代表の一員として用意された試合に臨んでいるだけという状況だ。廣田がパートナーであることについても「ジュニアナショナル代表の頃から面識はあったけど、組むとはまったく思っていなかったし、連絡先も知らなかった」と明かした。
ただ、互いに動きにスピードがあり、打ち合いで攻撃的なショットを打ち込むタイプで、組んだ感触は良さそうだ。まだ経験が浅く、勢いだけで勝って来たと話す両者だが、オーストラリアオープンで予選を突破、韓国オープンではベスト8入り。そして今大会の準優勝と成績は急上昇した。保木は「廣田さんは、前衛でしっかりと球を沈めてくれるので、怖い球が飛んで来るリスクがない。レシーブの場面でも相手の前衛の女子選手のラケットを弾くくらいの勢いで打ってくれるので、後ろでカバーしていても楽。とても組みやすいと感じている」と話し、廣田も「保木選手はスピードがあるし、自分も女子ダブルスではスピードのあるプレースタイルなので、噛み合っていると思う」と手応えを話した。
現段階では、ともに男子ダブルス、女子ダブルスに経験を生かすというスタンスだが、スーパーシリーズ第9戦のデンマークオープン、第10戦のフランスオープンでもエントリー予定だ。ともに男子ダブルス、女子ダブルスの本業と並行して臨む形になるが、思わぬ成果を生み出した副業の今後も気になるところだ。
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平野貴也●文 text by Takaya Hirano