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なぜフィギュアで著作権問題が相次ぐ? 元五輪選手が説明する複雑な事情「態勢整っていない」

ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートで、使用曲の著作権問題が話題になっている。曲目変更を強いられる選手も出てくる中、1972年札幌五輪のペアに出場した振付師のサンドラ・ベジックさん(カナダ)が背景にある複雑な事情を説明している。

男子シングルSPに出場したトマス=リョレンス・グアリノ・サバテ【写真:ロイター】
男子シングルSPに出場したトマス=リョレンス・グアリノ・サバテ【写真:ロイター】

ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートで著作権が問題に

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートで、使用曲の著作権問題が話題になっている。曲目変更を強いられる選手も出てくる中、1972年札幌五輪のペアに出場した振付師のサンドラ・ベジックさん(カナダ)が背景にある複雑な事情を説明している。

 楽曲の著作権問題は、五輪開幕前からフィギュア界に波紋を広げた。男子シングルのトマス=リョレンス・グアリノ・サバテ(スペイン)は自身のインスタグラムで、「残念ながら、五輪が始まるたった数日前に、著作権手続きの問題でこのプログラムを使用することが許されなくなったと知らされました」と告白。その後、無事に訴えが実り、予定通りの楽曲でショートプログラム(SP)を演じた。

 一方、個人の中立選手(AIN)として男子シングルに出場しているロシア出身のピョートル・グメンニクは、著作権問題により、SPの楽曲変更を余儀なくされたと報じられている。他にも女子シングルのルナ・ヘンドリックス(ベルギー)らも同様の問題に直面しているという。

 この問題にXで言及したのが、金メダリストら多くの名スケーターの振り付けを担当し、小塚崇彦氏のプログラムもつくったベジックさん。「極めて簡略化された説明」としつつ、楽曲使用の許諾について、複数の投稿にまたがる長文で背景を明かした。

「もし楽曲が演奏権管理団体(PRO)、例えばASCAP(米国作曲家作詞家出版者協会)、BMI(放送音楽協会)、カナダのSOCAN(カナダ作曲家作家音楽出版者協会)――全ての国にそれは存在するが――に登録されている場合、その楽曲は自動的にライブイベントでの使用、およびそのイベントの生放送における許諾が得られた状態になる」

「……なぜなら、ライブイベントのプロデューサーが、そのイベントのために包括的な料金をPROに払っているからだ。このことが、スケートの大会において数十年間訴訟が稀であったことの理由を説明している。ライブイベントとその中継は、常に音楽著作権法を遵守してきた」

 通常はPROに楽曲が登録されていれば使用は問題ないということだが、「危険領域となるのは、一部の著作権保持者が自身の楽曲をPROに登録していないケースだ。これゆえに、稀な訴訟が発生する」とベジックさんは続ける。

 またテレビ特番など、事後に放送される商用利用については法律が異なるとも指摘。「IOC(国際オリンピック委員会)は、少数の訴訟への対応として、商用利用の許諾も要求している。ここに問題が存在する」とし、ライブイベントでの使用許可は降りていても、商業利用の許諾が出ない事例もあるとした。

「これは複雑で、時に高額な費用を必要とするプロセスで、スケーター、保護者、コーチ、振付師たちが対応する態勢が整っていない。法律や手続きに熟練した専門家が、音楽の使用許可を取るべきだ」と提言。「音楽の著作権は非常に複雑であり、これは簡略化された説明だ」と繰り返した。

(THE ANSWER編集部)

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