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球数制限で球児は本当に守れるか プロ野球トレーナーの見解「根本的解決にならない」

野球人口の減少による球児への負担増大。球数制限の議論などが活発に行われるようになってきた今だからこそ、野球界は改めて選手の体と真剣に向き合う必要がある。いよいよ夏を迎え、高校球児たちは甲子園出場を目指して各地で地方大会に臨んでいる。

「投球制限」が「根本的な解決にならない」理由とは【写真:Getty Images】
「投球制限」が「根本的な解決にならない」理由とは【写真:Getty Images】

保護者向け連載「球児の未来の身体を考える」第4回、球数制限について広島の敏腕トレーナーはどう考える?

 野球人口の減少による球児への負担増大。球数制限の議論などが活発に行われるようになってきた今だからこそ、野球界は改めて選手の体と真剣に向き合う必要がある。いよいよ夏を迎え、高校球児たちは甲子園出場を目指して各地で地方大会に臨んでいる。

 セ・リーグで3連覇を成し遂げた広島東洋カープの石井雅也ヘッドトレーナーとともに、球児の体と真剣に向き合う「THE ANSWER」の連載「球児の未来の身体を考える」。第4回は「球数制限問題」編だ。実際に現場でプロ野球選手と日々向き合う、敏腕トレーナーは球数制限についてどう考えているのか。「根本的な解決にならない」と指摘する理由は――。

 ◇ ◇ ◇

 近年、高校野球で投手の投球数制限について様々な意見が出され議論の対象となっています。もちろん、高校生以外の小学生や中学生についても議論されるべき問題だと考えるところです。

 その意義については、置かれた立場や環境によって意見が違ってきます。ただひとつ言えることは“選手が防げるはずの怪我によって野球を諦めなくてはならない状況を改善すること”だと思います。これについては、立場や環境が違っても共通した思いでしょう。しかし現状では、「故障のリスクが高くなる」というだけでは、他の諸問題との兼ね合いもあり意見がまとまらない状況が続いています。

 比較する意味で実際に投球数制限をすでに実施している米国では、州ごとのルールで投球数制限を年令別に取り入れています。注意すべきことは、日本とはスポーツに対する社会環境や文化、考え方が異なることです。

 米国では日本のように野球だけをプレーするのではなく、多くの選手が複数のスポーツに取り組んでいることがよくあります。また基本的なトレーニングに関する教育も早い時期から選手が受けていることも多く、スポーツ科学や文化など様々な面で進んでいます。

 しかしながら投球数制限については、実施されてはいるものの、全てにおいて厳密に守られているかどうかは実際のところは分からないようです。

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