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怪我の少ない身体を作るには 現役MLB日本人コーチが語る理想的な「育て方」

上原浩治はアメフトのボールも器用に投げる

 例えば、アメリカでは子供の頃に、野球とアメリカンフットボール、野球とバスケットボール、サッカーと水泳、など、子供が複数のスポーツを掛け持つことが多い。これは身体に違った動きを教える意味で、理に適ったことだという。一昔前に郊外に住んでいた子供で言えば、野球の練習がない時は、家の農作業の手伝いをする。畑を耕したり、荷物を運んだり、といった野球とは違った動きをすることで、自然と身体が鍛えられていった。

「日本では、どの学校にも体育の授業があって、陸上やらマットやら球技やら一通りの動きを学びます。でも、アメリカには体育の授業がない学校もある。そこは各自で補ってくださいっていう部分なんですね。だから、運動のできる子とできない子の差は大きく開いている。

 日本人選手が器用と言われるのは、良くも悪くも体育で一通りのことをやっているからだと思います。そこから創造力が生まれるかは別の問題。アメリカ人選手でも運動神経がいい選手は、子供の頃に別の競技も並行してやっていた選手が多いですね。

 意外かもしれませんが、割と不器用なのはドミニカ共和国出身の選手。特に投手は野球のボールを投げることには長けていても、それ以外は不器用なことが多い。練習の一環としてフットボールを投げさせてみると一目瞭然です。上原浩治投手は器用に投げられましたけど、中南米系投手の中にはコツをつかめずに音を上げてしまう人もいました。

 彼らは野球選手を夢見て、投げることだけに専念してきたので、意外と他の動きが出来ないんですね。だから、怪我に悩まされて短命で終わってしまう選手も多いです」

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