部活の「腹筋トレ」に一石? “あの練習法”は10回でも効果を得られる
シットアップだけ何百回も繰り返しても効果的な補強運動にはならない
青山学院大学の陸上部(長距離ブロック)でトレーニングを担当するようになったとき、最初に「腹に力を入れろ、と言うことをやめてください」と監督やコーチにお願いしました。「腹に力を入れろ」というと大抵の選手が、腹直筋にグッと力を入れてしまい、腰が落ちるからです。特に、腹直筋を鍛えている選手は力を入れることが得意なので、骨盤の後傾が強くなります。
腹部は腹直筋だけではなく、たくさんの筋肉で支えられています。つまり腹直筋以外も鍛える必要があり、トレーナーが考えると何百のメニューを組めるほどさまざまな方法があります。
シットアップだけ何百も繰り返しても効果的な腹部の補強運動にはなりません。また、腹部に限らず、一部の筋肉だけを過剰に発達させると、パフォーマンスの低下やケガにつながるリスクが高まります。自分で考えた同じ種目だけを100回、1000回繰り返す鍛え方は、これを機会に是非、見直しましょう。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)