「スタンフォード式 最高の睡眠」著者が語る スポーツ選手に必要な「良質な睡眠」
アスリートのみならず、現代社会で「昼寝」は重要に
――ジュニア、育成年代の睡眠に関してはいかがでしょうか?
「学生スポーツ選手の睡眠研究データが豊富でないため一概に言えませんが、少なくとも現代の子どもたちは睡眠時間が不足気味なのは間違いないと思います。
例えば、1960~1970年頃の調査によると、7割以上が22時前には就寝していたのに、現在は2割まで減っています。大人も子どもも1時間ほど睡眠時間が短くなっています。子どもは大人の睡眠習慣に引きずられて遅くなっているのでしょう。
そのため最近は昼寝の効能について議論されることも増えてきました。かつて小学生ぐらいの子どもたちには昼寝は要らないと言われていましたが、現代のように睡眠が足りない状況では昼寝の効果は大きいのです。昼寝によって疾患リスクが下がるという調査結果も出てきています。
昼寝するなら、個別に調整は必要ですが、おおよそ1時間未満が良いと思います。疾患リスクに関しては30分未満ですが、少し寝て、眠りが浅くなったら起きる、というのがいいのではないでしょうか」
(後編へ続く)
■西野精治 株式会社ブレインスリープ代表取締役
スタンフォード大学睡眠センターにて、睡眠生体リズム研究所の所長を務めながら、株式会社ブレインスリープの最高経営責任者(CEO)兼最高医療責任者(CMO)でもある。著書「スタンフォード式 最高の睡眠」はメディアでも大々的に取り上げられ、睡眠不足が指摘される多くの日本人からの反響を呼んだ。
(記事提供 TORCH)
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(今井 慧 / Kei Imai)