「フェデラー選手、錦織選手に近づく意識で」―プロ選手が被災地でテニス指導
プロテニスプレイヤーの綿貫敬介氏が今月16日に福島県いわき市のア・パース スタジアムで開催された「東北『夢』応援プログラム」テニス編の夢宣言イベントに出演。福島県いわき市内の小学生4年生から中学3年生の少年・少女15人を対象に直接指導し、交流をもった。
綿貫敬介が福島で子供たちを指導「フェデラー選手、錦織選手に近づく意識で」
プロテニスプレイヤーの綿貫敬介氏が今月16日に福島県いわき市のア・パース スタジアムで開催された「東北『夢』応援プログラム」テニス編の夢宣言イベントに出演。福島県いわき市内の小学生4年生から中学3年生の少年・少女15人を対象に直接指導し、交流をもった。
プロテニスプレイヤーとしての活動と並行して、「グローバル・プロ・テニス・アカデミー」で育成年代の指導者も務めている綿貫氏は2011年に東日本復興支援チャリティイベントを埼玉県内で開催した経緯がある。日本テニス協会を通じて、100万円とラケットの寄付を行うなど、復興支援を展開していた。
「テニスを通じて現地で何かをできるタイミングはないのかと模索している中で、今回のプログラムにお声がけいただいた。みなさんがテニスに対して、本気で一生懸命に取り組めば、その先の目標達成につながると思います」
世界ジュニアランク2位という実績を持つ弟・陽介のツアーコーチも務めた綿貫氏はこの日、約2時間のテニスクリニックを実施。ストロークの球出しによる基本練習ではまず心構えを説いた。
「難しくても恥ずかしくてもいい。自分がいつもやっている以上にテニスに入り込んで、この一球で自分は強くなる。大げさではないけれど、フェデラー選手に近づく。錦織選手に近づくんだという意識で打っていこう」
動画を通じて今後1年指導へ「すごく楽しみ」
全国大会を目指す少年少女を叱咤激励しながら、ボレー、ストローク、サーブなどの技術指導を実施。ジュニア世代で現在男子シングルス世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)相手に白星を挙げたこともあるプロテニスプレイヤーは子供たちとともに汗を流し、その後、質疑応答も受けつけた。
「現時点でみんな頑張っていると思う。でも、目標が高ければ高いほど、やらなければいけない練習、一生懸命さの度合いも変わってきます。もしも、自分が全国大会で出たい、デビスカップの日本代表に選ばれたいという明確な目標があるのなら、ゆっくりでもいいけれど、現状から少しずつ前に進んでください」
綿貫氏はそう熱いメッセージを送ると、子供たちは真剣な表情で深く頷いた。
その後は子供たちに夢達成ノートとともに夢宣言シートが配られ、それぞれが「わたしの将来の夢」、「未来のわたしの町をどうしたい?」、「1年後の約束」などを書き込んだ。今後1年間、綿貫氏が「夢応援マイスター」として15人の子供たちの目標達成をサポート。主にスマートフォンの遠隔指導ツール「スマートコーチ」を活用し、動画のやり取りを通じて指導を継続していく。
「スマートフォンを用いた指導というのは僕自身も初めてのことなのですごく楽しみです。子供たちに必要な部分を細かくサポートしたいと思っています。1年間でみなさんがどれだけ状態するのか楽しみにしています」
笑顔でそう語った綿貫氏は1年後の子供たちの成長に大きな期待を寄せていた。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
村上正広●写真 Photo by Masahiro Murakami