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熱戦甲子園の裏で…7日間の“夏の続き” プロ注目投手ら引退後の3年生集結、高校野球を「終わりにする」新たな選択肢

株式会社ジャパンリーグの鷲崎一誠代表【写真:長嶺真輝】
株式会社ジャパンリーグの鷲崎一誠代表【写真:長嶺真輝】

「終わりにする選択肢があってもいい」鷲崎代表の経験が着想のきっかけに

 国内初の長期トライアウトリーグとしてJWLを立ち上げたジャパンリーグ。今回のジャパンサマーリーグも珍しい取り組みだが、着想のきっかけは何だったのか。背景には、鷲崎代表の高校時代の経験がある。

 福岡県出身、1991年生まれ。佐賀西高校出身。慶應義塾大学でプレーしていた先輩の活躍、そして伝統の一戦である早慶戦に憧れ、同大に進学した。しかし、部員約200人で4軍まであった慶應大では、4年間で一度も公式戦に出場できずに引退。モヤモヤを晴らすため、卒業後に米国カリフォルニア州のウィンターリーグに参加して存分に力を発揮し、一線でのプレーに踏ん切りを付けることができた。自身のような境遇の選手はたくさんいる。だから、JWLを構想した。

 この野球人生に後悔はない。ただ、進路を決める際の過程にはもっとやりようがあったとも思う。

「3年生の時に全体感を持って進路を決められなかったという思いがあります。たまたま先輩がいたから慶応大に進みました。大学での経験があったから今があるので、その選択は今でも良かったと感じています。ただ、それもたまたまうまくいったという感覚です。だから、高校3年生にはいろんな選択肢、可能性があるということを伝えたかったんです」

 こういった思いがあるから、ジャパンサマーリーグがサポートするのは技術の向上だけではない。「もちろん野球を一線でやり続ける選択も素晴らしいことですが、これを機会に『終わりにする』という選手がいてもいい。『区切りを付けられる場所』というのは、テーマの半分くらいを占めています」とイベントに込めた思いを説明する。

 参加選手に対する支援は、今後も惜しまない。「私たちは多くの野球関係者らとJWLを運営しているので、そのつながりを生かして人材をプロデュースする会社になりたいと思っています。学生の進路、プロを引退した後の選手のセカンドキャリアもサポートしていきたいです」と決意を口にする。

 緒に就いたばかりのジャパンサマーリーグ。選手集め、マネタイズを工夫しながら、来年以降も継続していく。その存在価値は、球児たちが次のステージで証明してくれるはずだ。

(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)

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