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熱戦甲子園の裏で…7日間の“夏の続き” プロ注目投手ら引退後の3年生集結、高校野球を「終わりにする」新たな選択肢

夏の甲子園で連日、熱戦が繰り広げられている。第107回全国高校野球選手権の地方大会に参加した3680校のうち、聖地に辿り着いたのは、ほんの一握りの49校のみ。一足先に夏を終えた球児たち――特に部活動を引退した3年生は、さまざまな思いを抱えているはず。甲子園に届かなかった悔しさを抱える者、進路に迷う者、野球への情熱に区切りを付けたい者。岐路に立つ球児たちの次なる一歩を後押ししようと、実戦の場とキャリア支援を両立した新たな催しが始まった。「アスリートのオープンキャンパス」と題し、8月2~8日に沖縄県で開かれた「ジャパンサマーリーグ2025」である。(取材・文=長嶺 真輝)

学校名や柄の違うユニホームをまとう高校3年生の球児たち【写真:長嶺真輝】
学校名や柄の違うユニホームをまとう高校3年生の球児たち【写真:長嶺真輝】

沖縄で始まった新リーグ「ジャパンサマーリーグ」に全国から37人…離島勢や女子選手も

 夏の甲子園で連日、熱戦が繰り広げられている。第107回全国高校野球選手権の地方大会に参加した3680校のうち、聖地に辿り着いたのは、ほんの一握りの49校のみ。一足先に夏を終えた球児たち――特に部活動を引退した3年生は、さまざまな思いを抱えているはず。甲子園に届かなかった悔しさを抱える者、進路に迷う者、野球への情熱に区切りを付けたい者。岐路に立つ球児たちの次なる一歩を後押ししようと、実戦の場とキャリア支援を両立した新たな催しが始まった。「アスリートのオープンキャンパス」と題し、8月2~8日に沖縄県で開かれた「ジャパンサマーリーグ2025」である。(取材・文=長嶺 真輝)

 ◇ ◇ ◇

 夏の甲子園4日目の8月8日。第2試合で当たった済美(愛媛)と東洋大姫路(兵庫)が激しい競り合いを演じていた頃だった。「プレイボール!」。横浜DeNAベイスターズ2軍の春季キャンプ地として知られる沖縄本島中部の嘉手納野球場で、ジャパンサマーリーグの最終戦が始まった。

「球走ってるよ!」
「打たせてこー!」
「ナイスバッチ!」

 ハツラツとした掛け声がグラウンドに響く。個々のユニホームは色や柄が違えば、胸に書かれた学校・クラブチーム名も異なる。にもかかわらず、選手たちは以前からチームメートだったかのように、大声で励まし合い、讃え合っていた。

 最後は総合MVPに輝いた知名優太(那覇商)が大会第一号となるサヨナラ満塁ホームランを放ち、球児たちの“夏の続き”はドラマチックな形で閉幕。スタンドには大学関係者らの姿もあり、1年目から注目を集めていることがうかがえた。

 リーグの主催者は、2022年から沖縄でトライアウト&スキルアップリーグ「ジャパンウィンターリーグ(JWL)」を毎年開催している株式会社ジャパンリーグだ。3年目となった昨年のJWLは13か国から約140人が参加し、初めてNPBからも埼玉西武ライオンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、横浜DeNAベイスターズが若手選手らを派遣。NPBやMLB、独立リーグなど国内外から31球団のスカウトが来場し、20人以上が契約を勝ち取った。

 積み重ねたノウハウを生かして立ち上げたのが、ジャパンサマーリーグである。テーマはJWLと共通の「陽の目を見ない場所に光を」。ジャパンリーグの鷲崎一誠代表は「夏の甲子園予選を終えた選手たちが誰でも参加できるプラットフォームとして、スキルアップ、思い出作り、仲間作り、進路についても考えられる機会を得られます」と開催意義を説明する。

 参加費は税込5万5000円。第1回の今回は高校3年生37人が参加し、3チームに分かれて計13試合(7イニング制/1試合は悪天候で中止)を行なった。毎日午前9時から正午過ぎまでに2試合を実施した後、午後は技術やキャリアについての座学講義、自主トレーニングの時間に充てた。

 黒木大地(帝京)や半田悠(札幌第一)などプロ注目選手のほか、沖縄県内からは興南、沖縄尚学という強豪校、宮古、八重山商工といった離島校の選手も名を連ねた。女子選手も一人参加し、多彩な顔ぶれが並んだ。

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