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キャンプでも「1日7~8時間勉強」 日本唯一の“医師兼プロ野球選手”竹内奎人にしかできない二刀流

日本では過去に例がないとみられる、医師免許を持ったプロ野球選手がいる。今季からNPBの2軍ウエスタン・リーグに参加したくふうハヤテの25歳、竹内奎人投手だ。群馬大では医学部で学ぶかたわら準硬式で最速147キロを誇り、今季の開幕前に受けた医師国家試験にも合格。その上でNPB球団入りを目指し続ける理由、竹内にしか持てない夢を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

2軍球団入りし、自分の武器を考え直したという竹内【撮影:羽鳥慶太】
2軍球団入りし、自分の武器を考え直したという竹内【撮影:羽鳥慶太】

くふうハヤテ入団後も猛勉強…開幕当日に合格発表

 日本では過去に例がないとみられる、医師免許を持ったプロ野球選手がいる。今季からNPBの2軍ウエスタン・リーグに参加したくふうハヤテの25歳、竹内奎人投手だ。群馬大では医学部で学ぶかたわら準硬式で最速147キロを誇り、今季の開幕前に受けた医師国家試験にも合格。その上でNPB球団入りを目指し続ける理由、竹内にしか持てない夢を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)

 竹内が国家試験合格という朗報を聞いたのは、本拠地でオリックスとの開幕戦を戦った3月15日だった。ただ2番手で登板したその試合は3回2失点で、その後も失点が続いた。「やっぱり1年間は受験生だったので、調整が間に合ってなかったですね。MAXのパフォーマンスとはほど遠かったです。思うようなボールが投げられなくて……。自分の問題です」。最高難度の二足のわらじを目指した“後遺症”だった。

 形のないところからスタートした新球団、くふうハヤテのキャンプインは1月10日と早かった。ただ竹内には医師国家試験が2月4日に控えており、こちらも追い込みの時期だった。キャンプは全体のメニューを終えたところで上がり、個人練習にあてる時間を試験勉強に割いた。

「毎日7~8時間は勉強していましたけど、ほかの受験生は寝てる以外は勉強しているのが当たり前の世界です。なので大変だとは感じませんでしたね。家ではなかなかできないので、図書館やカフェでというのが多かったです」。まずは医学部での学びを形にすることに集中したのだ。

 開幕後、少しずつNPBのファームという環境に慣れる中で、転機と呼べる試合があった。5月16日のヤクルト戦だ。「開幕からずっとリリーフだったのが、チーム事情もあって先発したんです。試合を作れたことで、こちらの方が自分の良さを出せるんじゃないかと」。5回を被安打1本、1失点。後半戦は先発ローテーションの一角を占めるようになった。

 その過程で悟ったことがある。「自分、特徴のある変化球がないんです。ここでやっていこうとすれば特に」。右腕からの直球は最速147キロを誇るが「めちゃくちゃスピードがあるわけでも、変則投法でもない」と言う。代わりに見つけた武器が「その日のコンディションに合わせて、いろんなタイプの投手になれる」。強いていえば総合力で、イニングを重ねながら試合をつくっていくのが自分の道ではないかと感じさせられた。

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