U-21ドイツ代表“10番”が認める日本人トレーナー 渡独3年、人生を変えた偶然の出会い
日本人トレーナーのきめ細やかな施術と気配りは世界で通用する
窪川のドイツでの活動も3年目を迎え、日本で活動していた頃の知り合いの紹介で、ドイツだけでなくベルギーやオランダのチームに所属する日本人選手も施術するようになった。
「最近では、日本代表選手のケアもさせてもらえるようになりましたが、チームトレーナーではないのでオフの日のケアなどが中心です。将来的にはブンデスリーガのチームトレーナーとして、CL(UEFAチャンピオンズリーグ)決勝のピッチに立つことが夢ですね」
日本人の真面目さや相手に合わせられる性格は、選手を支えるトレーナーとして活躍できる大きな要素だと窪川は話す。日本で当たり前のようにやっていた、きめ細やかな施術や気配りが海外で同じように行われているかといえば、そうでもないようだ。今回のカタール・ワールドカップで日本代表が世界の強豪国を破ったように、日本人トレーナーの技術も世界で大いに通用するという。
「自分を大きく成長させるためにドイツへ渡る決断をしましたが、渡独してしばらくは将来への不安と簡単に日本に帰れないというプレッシャーで押しつぶされそうでした。それでも、日本で積み重ねてきた経験は無駄ではなかったですし、人との出会いやタイミングが僕を繋げてくれました。僕自身がトレーナーとして成長することは、選手にとってもプラスになります。今後も自分の限界を決めず、挑戦し続けたいと思います」(文中敬称略)
(岡田 みわ / Miwa Okada)