エースの移籍に思う子供の「進路選択」 選手を成長させる“最適な環境”とは
育成とは1クラブ、一人の指導者でどうこうできるものではない
チームレベルがその選手の成長にプラスにならないなら、指導者として自分がここで最大限の努力をするよりも、チャンスがあるなら良い選手を集めているチームで、同じように強いチームと試合ができる環境にその選手を送るべきだろう。育成とは1クラブ、一人の指導者でどうこうできるものではないのだ。
もちろん、葛藤はある。「残ってくれていれば」という思いだってある。だからヘコむ気持ちも普通にある。それも人が持つ大事な感情なのだ。だから、しばらくは引きずった。
でも、今はもう新しいチーム作りに頭を切り替えている。そして毎日が挑戦なのだなと改めて思った。僕も彼ら子供たちも、こうやっていろんな経験を積み重ねていきながら、自分という人間の幅を、深みを、そして強さを身につけていけたら素晴らしい。
【了】
中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano