ハンドボール宮崎大輔が明かす 日本人が異国で認められる秘訣「感情は全部捨てた」
近藤 俊哉●写真 Photo by Toshiya Kondo
ノルマ達成したスペイン時代、宮崎が秘める今の目標は?
チームメイトの輪に自分から飛び込んでいき、彼らが考えていることを理解する。言葉は二の次。気持ちをぶつけていくことで、宮﨑はチームの一員になろうとした。次第にパスは回るようになり、スペインでも頼られる存在となる。結局、シーズン100得点以上という己に課したノルマもクリアする。
「どのチームと戦っても得点できていましたし、みんなとの連係も良くなっていろいろと自分で考えてプレーすることもできました。個人のスキルが上がったなという実感を持つことができました」
スペインの高いレベルに、そしてチームメイトに刺激を受けて彼はまた一回り成長することができたのである。
今回、引退を踏みとどまって優勝できたのも彼にとっては大きな経験となった。
新たな目標は2020年の東京五輪だという。
「まだまだ現役でやりたいし、2020年の東京五輪が決まった以上、そこに目標を持ちたいですね。高い壁が待っているとは思いますけど、それを乗り越えたいと思うのがアスリートなので。
最近はケガが多くなっているので、自分の体をもっと知ったうえで向かっていきたいですね。自分の体を伸ばしていくというより、しっかり維持していくことが重要だと思っています。強い精神と日常の積み重ねによって、その待っている壁を乗り越えていけると信じています」
宮﨑大輔のストーリーは、これからも続く。
【了】
二宮寿朗●文 text by Toshio Ninomiya