香川真司にあって大久保嘉人に足りなかったもの リトバルスキーが語る海外成功の条件
香川と長谷部にあって大久保に足りなかったものとは
「香川と長谷部はすごく適応が早かった。早い段階で文化やサッカーの違いを理解し、その実力がブンデスリーガでも高く評価されました。一方、大久保はファンタスティックな選手だったが、残念ながら、適応がスムーズにできなかった。彼がもう少しだけ幸運に恵まれ、適応も文化の習得も早ければ、彼はブンデスリーガで成功できたはずなんです」
リトバルスキー氏は具体例を挙げて説明してくれた。
香川は10年夏にC大阪からドルトムントに移籍すると、チームの主力になった。ブンデスリーガ2連覇に貢献し、世界的名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍。14-15年シーズンにドルトムントに復帰し、現在のチームでは不可欠な存在となっている。
長谷部は08年に浦和からヴォルフスブルクに移籍。08-09年シーズンにはリーグ優勝に貢献し、ニュルンベルクを経て、フランクフルトで現在はニコ・コバッチ監督から全幅の信頼を手にした。ブンデスリーガのキャリアは今季で11シーズン目を迎えている。
香川と長谷部の2人は成功例。ブンデスリーガという環境に対する理解のスピードを早めたことが、その後のキャリアに大きなプラスとして働いたという。
一方、川崎の大久保嘉人は才能と実力に疑いの余地はなかったという。2004年シーズンにはC大阪からスペイン1部マジョルカに移籍したが、2006年にJリーグに復帰。2008年シーズンに再び欧州に挑戦。ドイツ1部ヴォルフスブルクで期待されたが、結果を残すことができず、09年に神戸に復帰した。