香川真司にあって大久保嘉人に足りなかったもの リトバルスキーが語る海外成功の条件
これまで数々の日本人フットボーラーが海を渡ってきた。ドルトムントMF香川真司、フランクフルトMF長谷部誠、レスターFW岡崎慎司のように欧州で長期間、キャリアを築いた成功例も存在する一方で、新天地で期待されながらも失意の帰国を迎えた例も存在する。実力は問題ない。それでも、欧州での「成功」と「失敗」を分けるものは一体何なのか。ドイツ1部ヴォルフスブルクでスカウト部長を務める元西ドイツ代表FWピエール・リトバルスキー氏に聞いた。
リトバルスキー氏が見分ける、海外挑戦の「成功」と「失敗」の理由とは
これまで数々の日本人フットボーラーが海を渡ってきた。ドルトムントMF香川真司、フランクフルトMF長谷部誠、レスターFW岡崎慎司のように欧州で長期間、キャリアを築いた成功例も存在する一方で、新天地で期待されながらも失意の帰国を迎えた例も存在する。実力は問題ない。それでも、欧州での「成功」と「失敗」を分けるものは一体何なのか。ドイツ1部ヴォルフスブルクでスカウト部長を務める元西ドイツ代表FWピエール・リトバルスキー氏に聞いた。
日本でもプレー、監督経験があり、欧州、南米、そして、Jリーグの試合を年間100試合以上を視察しているリトバルスキー氏。成功上の条件として最も重要なのが、選手の「理解力」だという。
「フットボールにおいては、いつでもクオリティが最優先で要求されます。海外の優れたレベルのリーグに移籍できるということは、それだけで十分なクオリティを持っていることを意味します。日本で見せたクオリティを、例えばブンデスリーガで発揮できるか、という部分が大事なのです。
Jリーグやアジアで通用していたプレーをそのまま持ち込もうとしても、それは簡単ではありません。重要なのは相手をいかに研究するか。そして、その結果を理解できる人間こそ適応が早くなる。そして、適応や理解が早いほど、ドイツでプレーする上で、より優秀な選手ということになります」
海外のクラブからオファーを受けることができる時点で、選手としてのクオリティは保証されている。だが、欧州での成功の鍵を握るのはテクニックとは別の部分。新しい環境に適応するための「理解力」だという。