アスリートは「ガッツのある人種」 元五輪選手たちが考えるセカンドキャリアの武器
“ガッツ”はセカンドキャリアに生かせる?
「例えば、スキー競技の後輩で、ネクタイを締めて都内のあちこちをグルグル回って、コピー機を買って下さい、印刷を任せて下さい、というような営業の仕事に就いている仲間が何人かいます。そんな彼らに共通することは『ガッツがある点』です。これはセカンドキャリアを歩んでいく中でも、生かせる点ではないでしょうか」
この意見には元シンクロナイズドスイミング日本代表の青木愛さんも大きく頷く。
「研修期間に耐えられずに辞めてしまう新入社員の方は多いと聞きます。もしかしたら、そういった人たちは『厳しい状況でも一つのことに打ち込み、続けられるのかどうか』という点で足りないのではないでしょうか。スポーツ選手だった経験がある人には『打ち込め』と言われたらやるべきところまでやる傾向にありますからね」
アスリートはその競技人生で厳しいトレーニングや大きなプレッシャーがかかる試合を数多く経験し、常に勝敗と向き合わなければならない。幼少の頃から厳しい環境を経験しているからこそ「多少、苦しい思いをしても、へこたれないところはありますよね」と荻原さんは言う。
「社会人としての基本的なマナーやモラルをしっかりと教えてあげられれば、スポーツに打ち込んできた人たちは、早く飲み込んで馴染めるところがあるのかなと思います」と荻原さん。仕事を探すアスリートだけでなく、雇う側もアスリートが秘める武器や良さを知っておけば、両方にとって幸せな関係を築き上げることができるかもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
写真提供:Sports Japan Gather