ベテランと若手が築く理想の関係 荒木絵里香と黒後愛に見る日本女子バレーの形
荒木と黒後が異口同音に宣言「目標はメダル獲得です」
年齢こそ離れていても、互いを尊重し、互いを認め、笑顔を共有できる理想の関係が2人の間にはある。それこそが、中田監督が率いる“火の鳥NIPPON”の在り方、そのものなのかもしれない。
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だが、そこは勝負の世界。たとえ理想のチームができあがったとしても、東京オリンピックでメダルを獲るという指名を果たさなければ、何の意味もなさなくなる。9月のワールドカップ、そして来年の東京オリンピックに話が及ぶと、2人は表情を引き締めて宣言した。
荒木「目標はメダルを獲ること。ワールドカップではしっかり内容のあるゲームをして、結果にこだわってやりたいと思います。いい試合をして東京オリンピックに繋がる大会にしたいです」
黒後「目標はメダル獲得です。今回のワールドカップは東京オリンピック前年の大切な試合。個人としてもチームとしても内容のある試合にしたいと思います」
ワールドカップ、そして東京オリンピックでのメダル獲得は、頂点を目指したいという競技者が持つ本能からくる想いと同時に、バレーボールの競技人口を増やしたり、さらなる人気拡大に繋げたいという想いも込められている。
「多くの国際大会が日本で開催されたり、たくさんテレビ放送をされたり、バレーボールは本当に恵まれている競技だと思います。いろいろな方に競技そのものや私たちのことを知ってもらうチャンスがある中で、勝って結果を出すことが私たちの一番の使命。そういった意味でも、結果にこだわってしっかりやっていかないといけないと思います」
そう語る荒木の想いは、チーム全員が共有する想いでもある。1964年の東京オリンピック以来、金メダルから遠ざかっている悔しさ、頂点に立つ難しさは、先輩から後輩へ代々受け継がれてきた。先人から繋がれた想いに応えるため、未来へ新たな歴史を繋ぐため、火の鳥NIPPONは大きく羽ばたく準備を整えている。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)