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ベテランと若手が築く理想の関係 荒木絵里香と黒後愛に見る日本女子バレーの形

東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、今年はその前哨戦とも言えるビッグイベントが各競技で開催されている。バレーボールでは9月14日から「FIVBワールドカップ2019」が日本で開幕。五輪、世界選手権に並び、3大大会の1つと称される国際大会には、すでに東京五輪出場を決めているセルビア、中国、アメリカ、ブラジルも出場するなど、チームの現在地を測るには格好の場となる。

バレーボール日本代表の荒木絵里香(左)と黒後愛【写真:荒川祐史】
バレーボール日本代表の荒木絵里香(左)と黒後愛【写真:荒川祐史】

2013年、東京五輪開催が決まった時、全く別の境遇にいた2人

 東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、今年はその前哨戦とも言えるビッグイベントが各競技で開催されている。バレーボールでは9月14日から「FIVBワールドカップ2019」が日本で開幕。五輪、世界選手権に並び、3大大会の1つと称される国際大会には、すでに東京五輪出場を決めているセルビア、中国、アメリカ、ブラジルも出場するなど、チームの現在地を測るには格好の場となる。

【特集】「美しくなければならない」バレーボール女子代表“火の鳥NIPPON”の挑戦 / 中田久美監督、荒木絵里香選手、黒後愛選手(GROWINGへ)

 中田久美監督率いる女子日本代表、通称“火の鳥NIPPON”は今季、35歳から18歳まで幅広い年齢層の選手を登録メンバーに加えた。「チームスポーツはバランス」という中田監督は「若手だけの勢いだけじゃ絶対に乗り越えられないし、経験だけだと体力が持たない。経験ある選手を中心として、起爆剤として若手をどう使っていくか」と説明。そのチームを象徴するのが、2004年から日本代表入りするベテラン・荒木絵里香(トヨタ車体クインシーズ)と、2018年に国際大会デビューしたばかりの若手・黒後愛(東レ・アローズ)だ。

 ともに強豪・下北沢成徳高出身の2人だが、年齢差は14歳。五輪開催地に東京が選ばれた2013年、すでに2度の五輪出場を果たしていた荒木は、長女をお腹に宿していた。「東京って決まった瞬間、自分はちょうど娘を妊娠していて『あ、ちょっと遅かった。出たかったな』って思ったのを覚えています。出産後もバレーボールをプレーしたい想いはあったんですけど、また代表入りするとかオリンピックに出るとか考えていなかったので」。

 一方の黒後は、当時15歳の中学生で「出たいなとは思いましたけど、本当に7年も先の話で、東京五輪を目指して頑張ろうっていう感じではなかったですね」と振り返る。

 7年前、全く別の境遇にあった2人が今、同じチームの一員として、東京2020でのメダル獲得を目指すのは、ある意味、運命だったのかもしれない。

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