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「バスケを知る」が世界への第一歩 “後進国”日本が学ぶべき、欧州名門の育成論

バスケットボールのワールドカップ(W杯・中国)に出場した男子日本代表は、5戦全敗と屈辱を味わった。八村塁(ウィザーズ)や渡邊雄太(グリズリーズ)などNBA選手も名を連ねた日本は、8月の強化試合で1試合に1万8000人超の観衆が集まるなど、一昔前では考えられないくらいの飛躍を遂げた。

5戦全敗と苦い結果になった日本代表【写真:Getty Images】
5戦全敗と苦い結果になった日本代表【写真:Getty Images】

レアル財団の技術指導責任者に聞く、日本バスケへの提唱「どこが強みか」

 バスケットボールのワールドカップ(W杯・中国)に出場した男子日本代表は、5戦全敗と屈辱を味わった。八村塁(ウィザーズ)や渡邊雄太(グリズリーズ)などNBA選手も名を連ねた日本は、8月の強化試合で1試合に1万8000人超の観衆が集まるなど、一昔前では考えられないくらいの飛躍を遂げた。それでも、13年ぶりの勝利を得ることができず、32か国中31位で世界レベルを痛感。何度も跳ね返されてきた壁は、またも高かった。欧米に比べ、“バスケ後進国”とされる日本に足りないものは何なのだろうか――。

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 答えを得るには、先進国に学ばなければならない。8月、スペインの名門クラブ、レアル・マドリード・ファンデーション(財団)バスケットボール部で技術指導責任者を務めるアドリアン・ジージャ氏を取材した。同財団は世界中でバスケ教室を開催。責任者である同氏の言葉の中に育成年代への指導に関するヒントが隠されていた。

 男子スペイン代表は五輪で3度の銀メダルを獲得し、2006年世界選手権を制した。米国に次ぐ世界ランク2位の強豪国だ。今回のW杯1次リーグを3連勝で突破。2次リーグも2連勝し、負けなしで8強入りを決めた。

 サッカーでは言わずと知れたレアル・マドリード。バスケットボールでもスペイン1部で35度、欧州最高峰のユーロリーグで10度の優勝を誇る。NBAのマーベリックスでプレーするルカ・ドンチッチ(スロベニア)も、ここで育った選手の一人だ。同クラブは財団主催のバスケ教室を8月に日本で開催。指導者向けのセミナーも行い、彼らのメソッド(指導方法)を伝えた。

 日本は、八村や渡邊など世界最高峰のリーグに所属する選手も台頭してきた。しかし、現状では彼らは世界のスター選手ではなく、これから成長していく選手。選手層が厚いとはいえず、NBAや欧州リーグで戦えるようなもっと多くの選手が不可欠だ。ジージャ氏に「日本に足りないもの」を問うと、どの国、チームでも共通して必要なものを説かれた。

「一番最初に大切なのは戦うこと。競争相手が何かということを理解しないといけない。その上でどうやったら他の欧米諸国に対等に戦っていけるのか、どこで戦えるかを考えないといけない。米国、ヨーロッパと戦うには、日本ならではの戦える部分を見つけていくしかない。それを見つけた上で、どのメソッドが使えるのか。どこを強みにするかを考えてメソッドを使わないといけない」

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