世界を転戦する異色のセーラー 20歳高橋レオが描く“東京五輪経由アメリカズカップ制覇”
「最終的にはアメリカズカップに出て勝ちたい」
今年から始まったGPには米国、英国、フランス、オーストラリア、中国、日本の6チームが参加。来年には1チーム増える予定で、5年という期間を目処にファンベースの拡大を目指し、ユース大会の開催も視野に入れる。参加国には五輪を目指しながら平行してセールGPに参加する選手もおり、早福氏はこの大会が日本人セーラーを育てる土壌になることを期待している。「高橋はオリンピックと平行してGPで腕を磨いている。これは将来的に理想的な形になるのではないかと思う。彼を手本にして、ゆくゆくはオリンピックを目指してこの大会に参加する選手が増えて欲しい」と話す。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
また、セールGPで使用される艇はワンデザインで統一されているため、純粋にセーラーやエンジニアの操船技術の競い合いとなるのも魅力の一つだ。現在の日本チームは外国選手と日本選手の混成だが、ルール上は将来的に日本選手だけで構成する必要があり、そのためにはスキッパー育成が急務となる。
高橋はこれを大きなチャンスと見ており、「今一番の目標はオリンピックに出ることだけど、将来的にはセールGPのスキッパーをやりたい。そして最終的にアメリカズカップに出て勝ちたい。日本チームの一員として、いつかヨーロッパの強豪チームに勝って一番になるのが目標」と力を込める。世界で戦う中で培われた自信と向上心を支えに、水平線の先にある壮大な夢に向かって舵をとる。
(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)