気まぐれな海に魅せられた男・大原洋人 世界で戦う22歳サーファーが語る魅力
海とともに育った22歳「海に行くっていう動作が安心します」
練習として海に向かう時は、課題やテーマを持って波に乗る。沖で波を待ちながら「次の波はこういうことができるかな」「今、こういうところがダメだったからコケちゃったのかな」と、前より少しでもいいサーフィンができるように頭の中はフル回転。その一方で、純粋に波に乗る楽しみだけを求めて海に向かうこともあるという。
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「本当に自分が好きな波だったら、自分がやりたいサーフィンを好きなだけやる日もあります。そういう時は波を待っている時も何も思わない。ただ『早く波来い!』みたいなことしか思いません(笑)。しっかり課題を持って練習する日もあれば、全く何も考えずにただやりたいことをやるという日もある。自分の中では両方ともスキルアップにつながるんじゃないかと思うので」
海とともに育った。「海に行くっていう動作が安心します」。生活の一部となったサーフィンは、白髪のお爺ちゃんになっても「やめることはないと思います。海に入るだけだったり、波を待つだけだったり、それでもサーフィン。年齢は関係ないし、楽しみ方は人それぞれ」と言う。全身全霊サーフィンに魅了されているが、海の怖さを感じたこともある。
「海外に行ったらたくさんありますね。大きな波が目の前に来てハッと息を飲んだり、『この波に飲まれたら死んじゃうかも』と思ったこともあります。でも大体、後になって思い返すと、怖く思ったこと自体が笑えてくるんですよね」
そう言うと、目を細めてうれしそうに笑ったが、やっぱりサーフィンが大好き。海から離れられない。
勝手知ったる地元の海でオリンピックが開催される千載一遇のチャンスに、「揃うものが揃い過ぎちゃって、逆に怖い(笑)」と話す。目標は「表彰台に乗りたいです」。メダルの色にはこだわらない。
もちろん、まずは五輪出場権を獲得する必要がある。だが、もしサーフィンの神様が存在するなら、大原洋人が抱くサーフィン愛の大きさを頭の片隅に止めておいてくれるはずだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)