荻原次晴氏、松岡修造氏らはなぜ“売れっ子”なのか 荻原氏が語る秘訣とは
セカンドキャリアで大切なのは…
「きっと、セカンドキャリアで大事になるのは“プライド”の部分なんですよね。例えばスポーツキャスターで考えてみましょう。私もそうですが、松岡修造さん、陣内貴美子さんといった方は、メダルを取った実績はないんですよね。だからこそ、ひとまず現役時代のことは横に置いておいて、謙虚に仕事を受けようと思っているんですね」
松岡さんはテニスのトッププレーヤーとして活躍し、1995年のウィンブルドンで日本人男子選手として62年ぶりとなるベスト8進出。陣内さんも女子バドミントンで92年バルセロナ五輪代表に選出されるなど、日本を代表するアスリートであることは確かだ。しかし、勝ち負けがすべてとなる競技と違って、人との関わり合いである社会人生活では、人間性も問われることになる。これはスポーツキャスターだけでなく、一般的な社会人生活でも同じことが言えるのではないかと荻原さんは指摘する。
「アスリートのセカンドキャリアに正解はないです。例えば引退後、会社を興したりキャスターになることが成功で、競技から全く離れた仕事で働くということが失敗というわけでは全くありません。最後はセカンドキャリアに進んだ選手それぞれの気持ちが決めるのだと思います。ある競技の元アスリートは『近所でバイトしてるだけ』と気落ちしていましたが、非常にもったいないことです。最終的には自分がハツラツと働ける場所を探すのが大事になるので」
そう指摘する荻原さんは自身も「今の目標は(2018年の)平昌冬季五輪でしっかりとメーンキャスターを務められるように頑張って、その2年後の東京五輪でもキャスターとして携わりたいですよね」と長期的な目標を持ちながら日々活動しているという。現役引退後もしっかりと目標設定し、前向きに第2の人生を送っていけるか。テレビで生き生きとした姿を見せる元トップアスリートから学べる点は多い。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
写真提供:Sports Japan Gather
荻原次晴が語る【セカンドキャリア】アスリート生活もセカンドキャリアにも、誰もが感じる成功はない