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日本の環境に「戸惑いもあるが…」 初来日の東欧選手、日常的な「礼儀正しい」文化に感銘

欧州のファンが作る厳しい環境は「当たり前のこと」

――批判的なリアクションを受けながらプレーすることは大変ですね。イライラしたり落ち込んだりすることもありましたか?

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「大変ではありますが、若い頃からこういった環境に慣れているので、それが普通だと思っています。それにパフォーマンスが悪かった時に、『もっとしっかりやってくれ』『納得できない』と言われるのは当たり前のことです。アスリートはそのような声を認識しつつ、自分のパフォーマンスに影響させない術を学ばなければなりません。精神を強くし、調子の波があってもプレーし続けなければならないのです。僕はヨーロッパでプレーする中で、コート上で何が起きようとも、プレーが良くても悪くても、常に精神を平坦に保たなければならないと学びました。うまくいっている時に喜びすぎてはいけないし、逆にうまくいかない時に長く落ち込みすぎてもいけない。なぜなら、バスケットは展開の速いスポーツであり、わずか数秒で状況が変わってしまうからです」

――Bリーグの会場の雰囲気に物足りなさは感じますか? 逆にハッピーですか?

「今のところは、こういった環境を経験できていることを嬉しく思っています。小さい頃から慣れ親しんできた環境とはまったく違うので戸惑いもありますが、これが普通だとも感じます。もし間違っていたら訂正してほしいのですが、Bリーグはファンの大半が女性ですし、家族連れも多いですよね。ヨーロッパは男性のほうが多いから、スタンドからの批判が多いんだと思います。今のところ、ヨーロッパのあの雰囲気は恋しくないです。いつかは懐かしく思うかもしれないですが(笑)。選手の中には騒がしいアリーナや、アウェーのファンの声援をエネルギーにプレーする選手もいますし、人によるんでしょうね」

――今季のブレイブサンダースは成績的に厳しい状況に立たされていますが、チームで最も高いレベルを知るリスティッチ選手から見て、このチームがステップアップするために必要なことはなんだと思いますか?

「今の結果は、僕らの実力や選手層の質に見合っていないと感じています。そして大切なのは能力よりもマインドセットの問題だと思います。勝つためにはチームとして噛み合わなければいけません。いくら個人として優れた選手がいたとしても、チーム内でうまく連係できなければすべてが無駄になります。僕たちがこれから試合を勝ち取るためには、さらに一体感を持つ必要があります。セルビアではコーチが『呼吸を合わせる』とよく言いますが、呼吸を合わせるためには時間と反復が必要です。このチームの選手はみんな努力家です。シーズン開始から誰かがやる気を欠いたり、コート外で問題を起こしたりしたことは一度もありません。全員が共通の目標に集中している。必要なのは時間と努力だけです。今、僕たちは懸命に努力しているし、その成果は間もなく明らかになると確信しています。

 ここまでの敗戦の多くは、経験不足や試合を締めくくる力不足が原因だったと思います。30分間は素晴らしいプレーを見せても、最後の10分で集中力と強度が落ちてしまう。しかし、このような課題は改善・修正が可能です。ファンの皆さまにはさらに大きな成長をお見せしたい。シーズンを通して無条件の支援を寄せてくれた彼らには、もっと多くの勝利を見せる価値がある。1日も早くその姿をお見せできることを心から願っています」

■ドゥシャン・リスティッチ

 1995年11月27日生まれ、セルビア出身。12歳でツルベナ・ズヴェズダの育成組織に入ると、16歳の時にセカンドチームにあたるFMP Zeleznikでプロキャリアをスタート。翌シーズンにはトップチーム昇格を果たした。高校卒業後は米国のアリゾナ大学へと進学。再びプロ入りしてからはズヴェズダを皮切りに欧州の様々なチームを渡り歩き、今季より川崎ブレイブサンダースに加入した。セルビア代表としては2023年のW杯で準優勝を経験。サイズとシュート力を兼ね備えたビッグマンとして活躍する。

(青木 美帆 / Miho Aoki)

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