日本の環境に「戸惑いもあるが…」 初来日の東欧選手、日常的な「礼儀正しい」文化に感銘
セルビア代表の一員として『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』準優勝を果たし、今季から川崎ブレイブサンダースに加入したドゥシャン・リスティッチは、欧州で様々なチームを渡り歩いてきた。後編では母国や大学時代を過ごした米国を含め、海外9か国のバスケットボール文化に触れてきたリスティッチに、日々の生活や観戦文化などを含む日本と各国の違い、そして今季のブレイブサンダースについて話を聞いた。(取材・文=青木 美帆)

ドゥシャン・リスティッチ、インタビュー後編
セルビア代表の一員として『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』準優勝を果たし、今季から川崎ブレイブサンダースに加入したドゥシャン・リスティッチは、欧州で様々なチームを渡り歩いてきた。後編では母国や大学時代を過ごした米国を含め、海外9か国のバスケットボール文化に触れてきたリスティッチに、日々の生活や観戦文化などを含む日本と各国の違い、そして今季のブレイブサンダースについて話を聞いた。(取材・文=青木 美帆)
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――リスティッチ選手はアリゾナ大卒業後にセルビアへ戻り、古巣のツルベナ・ズヴェズダに復帰。以後は欧州各国のチームで1〜2シーズンという短いスパンでプレーされています。
「僕は常により良いチームでプレーし、成長したいと思っています。ズヴェズダとは3年契約を結んでいたのですが、ヨーロッパ屈指のトップチームではルーキーに与えられる出場時間は限られていたんですね。若い選手にとって最も重要なのは成長の余地と上達する機会と考え、1年でズヴェズダを離れ、シーズンごとに少しずつ成長していく道を選びました。ヨーロッパ屈指のレベルを誇るスペインでもプレーしましたが、コーチも皆ハイレベルで賢く、ハイペースな展開と高い知性を求めるスタイルがとても合っていました」
――フランスリーグで優勝した後、ブレイブサンダースに移籍されました。経緯を教えてください。
「フランスのチームに残留するという選択肢もありましたが、リーグのポテンシャルや多くの新戦力が流入している状況などを踏まえてBリーグを選びました。実は3年前にもBリーグのクラブからオファーがあったのですが、その時はユーロリーグを目指していたので見送ったんです。でも今は日本に来られて本当に幸せです。みんなが親切で、食べ物も素晴らしい。他人を尊重し、環境を大切にする、非常に礼儀正しい文化です。僕も妻も日本での生活をとても気に入っています」
――日本で生活する上で戸惑ったことはありますか?
「いえ。他の国ではプライベートでしつこく絡んでくる人などもいて、時に居心地の悪い思いをしたこともありますが、日本の人々は敬意をもって接してくれます。時々天井やドアに頭をぶつけることもあるけど……これも生活の一部です。大した問題ではありません(笑)」
――欧州と比較すると、日本は英語が通じにくいと思いますが、困ることはありませんか?
「驚くかもしれませんが、スペインやフランスでもそこまで変わらないんですよ。若い人は英語を話しますが、年配の方の英語のレベルは日本と同じです。だから、僕にとって別に珍しいことではありません。どの国に行く時も、どの文化に触れる時も、僕はその国の言葉で基本的なキーワードを必ずいくつか覚えるようにしています。日本でコミュニケーションを取ることは、まったく問題ないですよ」
――公式サイトのプロフィールでは『ドラゴンボール』の孫悟空を「好きなキャラクター」として挙げていました。日本の作品ですが、どのタイミングで触れたのでしょうか?
「子どもの頃、『ドラゴンボール』は一番好きなテレビ番組だったんです。学校に行く前に『ドラゴンボール』を見るのが日課でしたね。他にも、『デジモン』に『遊戯王』、それに『ポケモン』のような日本のアニメは、みんな知っています。僕が子どもの頃、セルビアではそうしたアニメがすごく人気で、国営テレビで放送していたんです。その中でもドラゴンボールが一番好きでしたし、周囲でも一番人気でしたね」
――セルビアにバスケットを見に行った方の観戦レポートを目にする機会があったのですが、着席せずに応援するのが当たり前とのことでした。着席することが基本の日本とは観戦文化がまったく違うのだなと感じました。
「セルビアと日本のバスケットボールの大きな違いの一つだと思います。日本のファンはみんな親切で、負けた時でさえ笑顔で迎えてくれますよね。でもセルビアやヨーロッパ全般はそうではありません。ブーイングを受けることもありますし、負けた時や良いパフォーマンスができなかった時にはダイレクトに不満を示します。だからこそコート上では常に全力を尽くすことが重要だと思うし、ファンはそういう姿勢を評価してくれるものだと思っています」
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