16歳でプロ契約も…米国の大学へ進学 「バスケ後の人生」見据えた異例のキャリア選択
人口は千葉県と近く、国土面積は北海道とほぼ同じ。東ヨーロッパのバルカン半島に位置するセルビアは決して大国とは言えないながらも、バスケットボールにおいては代表チームが世界屈指の結果を残し、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)などのNBAスターを育て、欧州屈指のプロクラブを擁している。そんなバスケットボール大国で生まれ育ち、16歳でプロ契約、セルビア代表の一員として『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』準優勝を果たした川崎ブレイブサンダースのドゥシャン・リスティッチに、母国セルビアの育成システムや強さの秘密、そしてそのなかで育った自身の経歴について聞いた。(取材・文=青木 美帆)

ドゥシャン・リスティッチ、インタビュー前編
人口は千葉県と近く、国土面積は北海道とほぼ同じ。東ヨーロッパのバルカン半島に位置するセルビアは決して大国とは言えないながらも、バスケットボールにおいては代表チームが世界屈指の結果を残し、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)などのNBAスターを育て、欧州屈指のプロクラブを擁している。そんなバスケットボール大国で生まれ育ち、16歳でプロ契約、セルビア代表の一員として『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』準優勝を果たした川崎ブレイブサンダースのドゥシャン・リスティッチに、母国セルビアの育成システムや強さの秘密、そしてそのなかで育った自身の経歴について聞いた。(取材・文=青木 美帆)
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――母国であるセルビアについて、どんな国かを教えてください。
「間違いなくスポーツの国です。セルビア国民はスポーツが大好きで、街中では子どもたちがサッカー、テニス、バスケットボール、バレーボールなど様々なスポーツを楽しんでいます。セルビアの人々はスポーツのために生きていると言っても過言ではないくらいスポーツへの情熱が強く、バスケットボールやサッカーを観戦すれば、私たちがいかに熱狂的かすぐに分かると思います。国民全員が『自分はチームの一員』と思っていて、選手たちと同じように勝利を喜び、状況が良くない時は怒ります」
――セルビアではサッカーとバスケットボールが2大スポーツだそうですね。
「セルビアで最も人気のあるスポーツはサッカーです。バスケットボールはおそらく2番目ですが、セルビアで最も成功したスポーツと言えると思います。五輪やワールドカップ(W杯)、ヨーロッパ選手権(ユーロ)で多くのメダルを獲得してきたからです。特に2000年代初頭は代表チームが2001年のユーロで優勝、翌年のW杯でも優勝(いずれも当時はユーゴスラビア代表)したこともあり、本当に人気がありました。僕も代表チームの成功がきっかけでバスケットボールを始めました」
――あなたのこれまでの経歴を調べてみると、2012年に『FMP Zeleznik』というチームでプロキャリアをスタートしたとありました。16歳の頃ということになりますが、間違いないですか?
「先に、そこに至るまでの経緯について説明したほうが、おそらく分かりやすいと思います。まず、セルビアでは学校とスポーツは切り離された存在で、学校ではなくクラブチームでプレーするのが一般的です。僕は12歳の時に(欧州有数の名門クラブである)ツルベナ・ズヴェズダのアカデミーにスカウトされ、生まれ故郷のノヴィ・サドから首都のベオグラードへ移り、U12、U14、U16、U18とすべてのユースカテゴリーでプレーしました。そして16歳の時にズヴェズダのセカンドチームにあたるFMP Zeleznikでプロデビューを果たし、その翌年の2013年にズヴェズダのトップチームに移りました」
――プロになる、という目標は早くから持っていましたか?
「はい。かなり早い時期から持っていました。セルビアのスポーツは総じて総合クラブ型で、同じクラブがバスケット、サッカー、テニスや水球などさまざまな競技のチームを抱えているんですが、バスケットやサッカーをする子どもたちは、みんな最終的にズヴェズダかパルチザンのどちらかに入ることを目標にします。僕も9歳でバスケットボールを始めた時から、この2つのチームのどちらかのトップチームでプレーすることを目指していました」
――プロとしてプレーしながら学校に通っていたんですか?
「はい。朝早くから8時頃まで練習し、近くにある学校で13〜14時くらいまで授業を受け、放課後にまた練習というスケジュールでした。アカデミーはすべてが組織化されていました。僕たちは寮に住んでいて、小学校と中学校は歩いて通える距離にありましたし、高校もそれほど遠くない場所にありました。主要施設を結ぶ送迎バスがあって、体育館には食堂のような施設もありましたし、本当に手厚く面倒を見てくれたんです。勉強とバスケットを高いレベルで両立するのは大変でしたが、バスケットを愛しているからこそ特別なモチベーションが生まれたのだと思います」
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