「個の強さを磨くために欧州へ」 8年前の世界一直後に熊谷が語った“なでしこの未来”
なでしこジャパンの最終ラインで続く試行錯誤
熊谷は大会を終えると、ドイツのフランクフルトに移籍。さらにその2年後の2013-14シーズンからはフランスのリヨンに加入し、4シーズン連続となる欧州制覇に貢献した。そして今回、自身3度目のW杯にはキャプテンとして臨んでいる。
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しかしなでしこジャパンは、その後もサイズ、俊敏性、技術を備えたセンターバックの発掘が思うように進まず、本来はサイドバックの鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)や、160センチの市瀬菜々(マイナビベガルタ仙台レディース)を抜擢するなど試行錯誤が続いた。
ようやく昨年主将としてU-20ワールドカップを制した169センチの南萌華(浦和レッズレディース)が、熊谷のパートナーとして定着しているが、小柄なテクニシャンが次々に台頭するMFに比べ、両ゴール前に身体的条件を満たすタレントが不足気味。その点では少し前の男子の状況に似ているが、女子の場合は若年層のスポーツとしてバスケット、バレーの人気が高く、再び世界一を奪回するにはスカウティング面で大きなテーマが横たわっているようだ。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)