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「個の強さを磨くために欧州へ」 8年前の世界一直後に熊谷が語った“なでしこの未来”

なでしこジャパンの最終ラインで続く試行錯誤

 熊谷は大会を終えると、ドイツのフランクフルトに移籍。さらにその2年後の2013-14シーズンからはフランスのリヨンに加入し、4シーズン連続となる欧州制覇に貢献した。そして今回、自身3度目のW杯にはキャプテンとして臨んでいる。

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 しかしなでしこジャパンは、その後もサイズ、俊敏性、技術を備えたセンターバックの発掘が思うように進まず、本来はサイドバックの鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)や、160センチの市瀬菜々(マイナビベガルタ仙台レディース)を抜擢するなど試行錯誤が続いた。

 ようやく昨年主将としてU-20ワールドカップを制した169センチの南萌華(浦和レッズレディース)が、熊谷のパートナーとして定着しているが、小柄なテクニシャンが次々に台頭するMFに比べ、両ゴール前に身体的条件を満たすタレントが不足気味。その点では少し前の男子の状況に似ているが、女子の場合は若年層のスポーツとしてバスケット、バレーの人気が高く、再び世界一を奪回するにはスカウティング面で大きなテーマが横たわっているようだ。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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