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「私はいつも孤独でした」…スターの本音をコンテンツに “72年ぶり復活”米国の女子プロ野球にビジネスの勝算

経営は成り立つか 中継より「物語」を売るビジネスモデルに

 さて、米国に72年ぶりに女子のプロ野球リーグができるとして、気になるのは経営が成り立つのかというところである。

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 WPBLの財政面を支えるのはグローバルなメディアとして知られる大手プロダクションのフリーマントルである。「アメリカン・アイドル」という人気番組などで知られている会社だ。フリーマントルの担当者は「契約内容はドキュメンタリーシリーズ、テレビ放映権、スポンサーシップ、ライセンスなど多岐にわたります。ですが、私たちの本質はストーリーテラーであり、この(リーグの)物語に心から魅了されたのです。そのストーリーテリングを全ての事業基盤に活かし、輝きと成長を見守れることにわくわくしています」と説明した。つまり、力を入れるのは試合の中継ではなく、選手やリーグの物語を伝えられるドキュメンタリーの製作というわけだ。

 こういったスポーツの中継とドキュメントの組み合わせは、WBCの日本での放送権を持つネットフリックスなども得意にしているところで、同様の手法を用いるということだろう。トライアウトのときから、スター選手にはカメラが張り付き、普段の会話を撮影し、インタビューも繰り返し行っていた。

 北米では、経営が軌道にのっている女子のプロスポーツがいくつもある。もともと人気のあるテニスやゴルフに加え、サッカーのNWSLをはじめ、バスケットボールのWNBAはスター選手のケイトリン・クラークの人気もあって大きく成長している。2024年に開幕した女子のプロアイスホッケーも予想を上回る注目を集めている。ビジネスとして魅力的なコンテンツになってきているのだ。男子のプロスポーツのいくつかは成熟しており、拡大が難しいなかで、女子プロスポーツがこれからの可能性を秘めた投資先になっている。

 WPBLの共同創立者であるスタイン氏も「このリーグの共同創設者となったのは、非常に大きなビジネスチャンスと社会的意義があったからです」と言い切った。すぐに黒字にならなくても、リーグの資産価値を高め、魅力的な投資先になることが当面の目標だとした。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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