「あの悲惨な試合が頭をよぎったの」 大坂なおみが“解説”するアザレンカの底力
「30-30まで盛り返されて、ちょっとパニックになったの」
その作戦は成功し、第2セットの終わり際にアザレンカの疲れを感じたところで、一気に「アクセルを踏んだの」と話す。第2セットを7-5で奪うと、第3セットは第4ゲームと第6ゲームをブレーク。5-1でサービング・フォー・ザ・マッチを迎えた。一気に勝負を決めにかかったところで、大坂は元女王のしぶとさを味わうことになる。試合後、その時の様子をなおみ節を交えながら、こう“解説”した。
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「5-1から(第7ゲームは)30-0で私がリードしたでしょ。その場面で彼女は勝負を諦めたと思ったの。雰囲気がちょっと変わったから。私のサービスエースが決まりだした事実を受け入れているように見えたの。だから『ここでエースを打ったら早く試合を終わらせられる』って、今度は自分で考え過ぎちゃった。そしたら、30-30まで盛り返されて、ちょっとパニックになったの。ビカが『あら、あの子いっぱいいっぱいの状態ね。反撃して叩きつぶすわ』って言っている風に見えて(苦笑)、結局、そのゲームを落としちゃった。
その時に何が頭をよぎったかっていうと、全米オープンのこと。(2016年に逆転負けした)キーズ戦。あの悲惨な試合よ。『ちょっと、またあんな試合になっちゃうの? ホント?』って考え始めたら、必死に取りにいったビカのサービスゲームをブレークできなくて『あぁ……』って落ち込んで(笑)。でも、彼女も素晴らしいプランを立てていたけど、私のサーブが調子を戻したので、おかげで勝てたわ」
最初から最後まで苦しみながらも、「最盛期の彼女と試合がしたい」とリスペクトするアザレンカを破ったこの一戦で、大坂の経験値は何倍にも膨れあがったに違いない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)