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“スポンサー危機”から4度目の五輪へ― 東京五輪で羽根田卓也が抱く恩返しの思い

日本国民の期待を一身に背負って、2020年の東京五輪を迎える羽根田卓也【写真:松橋晶子】
日本国民の期待を一身に背負って、2020年の東京五輪を迎える羽根田卓也【写真:松橋晶子】

感謝し切れない所属先への思い「社長は国民栄誉賞ですよ」

 そんな中で、救いの手を差し伸べたのがミキハウスだった。

「(ミキハウスの)社長は国民栄誉賞ですよ。カヌーの大会には賞金もない。どこかで働きながら競技を続けている選手も実際にいる。でもそれでヨーロッパの強豪選手と勝負するというのは現実的には厳しい。ヨーロッパだと基本的に国が支援しているケースが多く、練習に割ける時間なども全く違います」

 ミキハウスのバックアップにより、再びカヌーだけに集中できる環境を整えて迎えた2016年のリオ五輪で、日本人史上初のメダルとなる銅メダルを獲得。そして今度は日本国民の期待を一身に背負って、2020年の東京五輪を迎える。

「自分はすごく幸せ。自国の五輪は一生に一度。出るかはすごい確率。それに巡り合えたのは幸せ。それにさらにプレッシャーをかけてもらえるのは、選手冥利に尽きる。前回を下回ることは許されないと思っています。そこ(メダル獲得)は自分の中でやらないといけない。

 メダル獲得へ必要なことはたくさんある。一つだけ挙げるなら、東京五輪という特別な舞台で自分の力を発揮できるように気持ちを作ることですね」

 カヌー人生の集大成をかける4度目の五輪へ――。恩返しの気持ちも胸に羽根田はパドルをこぎ続ける。

(THE ANSWER編集部)

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