高難度のジャンプが勝つ道具へ 「4回転時代」到来に日本女子が持つ、それぞれの覚悟
日本勢はどう挑むのか、それぞれの覚悟…紀平「どんどん先に行っておかないと」
そんななか、女子の日本勢も高難度のジャンプに挑戦する姿勢を見せる。
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紀平は今季、SPで1本、フリーで2本と計3本のトリプルアクセルに挑んできたが、現状にとどまるつもりはなく、来季は4回転を投入する意向だ。今季のシーズン前と、今年1月の米国・コロラドでの合宿でも練習しており、トーループとサルコウはすでに降りたことがある。「4回転の確率がロシアの選手はすごい。私も同じような確率にもっていけるように、まずは1本、1種類、完成できるようにしたい」。サルコウに挑む見込みで、羽生結弦(ANA)のジャンプを参考にする。「無駄な力の入らない、お手本のようなジャンプ。練習に生かしたい」と話す。
世界選手権5位で19歳の坂本花織(シスメックス)は来季、トリプルアクセルをフリーで1本跳ぶことを目指す。中学時代に練習していたが、15年秋に右足すねを疲労骨折したことでいったん封印。昨年の平昌五輪に出場し、同12月の全日本選手権を制したが、高難度のジャンプを成功させる選手が高得点をマークする現状に、「3回転まででは勝てない時代になると思うので、恐ろしい」と危機感を隠さない。技の重要性を痛感し、「難しいけど、(北京)オリンピックまでには」と取り組んでいく覚悟だ。
21歳の宮原は、練習で時間がある時にトリプルアクセルに挑戦している。「意識しないと言うと、うそにはなる」と明かし、「諦めずに練習してきたい」と誓う。
若年の選手が成長期を迎えて4回転を跳べているかは分からない。ただ、紀平は「まだどういう時代が来るか分からないが、練習するだけしておきたい。どんどん先に行っておかないと」。トゥルシンバエワも「今後もこのジャンプ(4回転サルコウ)を頑張っていくつもり」と言う。勝つ道具として高難度の技をマスターしようとする流れは続きそうだ。
(福田 智沙 / Chisa Fukuda)