「母に楽をさせたい」 高卒プロへ突き進んだバスケ少年、周囲は反対も…唯一支持した恩師の言葉
開幕から苦しい戦いを強いられているバスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースだが、今季の新加入選手として主力の一員となっているのが29歳の津山尚大だ。名門高校で活躍してその名を全国に轟かせ、卒業とともにプロの世界へ。短期間ながら海外挑戦も経験するなど、これまで7クラブを渡り歩いてきた津山のキャリアは起伏に富んでいる。インタビュー前編では中学生の頃から決めていた「高卒プロ」を実現した背景に迫った。(取材・文=青木 美帆)

川崎ブレイブサンダース・津山尚大インタビュー前編
開幕から苦しい戦いを強いられているバスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースだが、今季の新加入選手として主力の一員となっているのが29歳の津山尚大だ。名門高校で活躍してその名を全国に轟かせ、卒業とともにプロの世界へ。短期間ながら海外挑戦も経験するなど、これまで7クラブを渡り歩いてきた津山のキャリアは起伏に富んでいる。インタビュー前編では中学生の頃から決めていた「高卒プロ」を実現した背景に迫った。(取材・文=青木 美帆)
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創設10周年を迎え、様々な変化と成長を重ねてきたBリーグだが、その歴史の中であまり変わっていないものがある。それは所属選手のプロ入り前のキャリア。Bリーグに所属する日本人選手はその大半が大卒で、高卒選手はごくわずかしかいない。
川崎ブレイブサンダースの津山尚大は、福岡大学附属大濠高校3年時の2015年1月に琉球ゴールデンキングスに加入した29歳。今年でプロ10年目を迎える。
当時の日本バスケ界は、プロアマ混合リーグの「NBL」と完全プロリーグの「bjリーグ」という2つのトップリーグがあった混乱期で、プロバスケットボール選手のステータスは現在と比較にならないほど低かった。津山は高校時代、1学年下の八村塁と並び高校屈指のプレーヤーと評される選手だったが、全国トップレベルの高校生が卒業後即プロ入りするという前例は、2005年の川村卓也(現・新潟アルビレックスBB)まで遡らないといなかった。
そのような時代に、なぜ“高卒プロ”という選択をしたのか。
「中学生の頃から、高校を卒業したらすぐプロに行くと決めていたんです」
津山は話し始めた。
沖縄県出身。小学4年生の時に琉球ゴールデンキングスが誕生して以来、地元のプロチームでプレーするという夢を持ち続けていた。11歳の時に父親が亡くなり、5人の子どもを1人で育てる母親に楽をさせたいという想いも、夢を後押しした。
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