地方に「夢のアリーナ」を根付かせる活用術 負の遺産にさせない…沖縄バスケ界のユニークな有益モデルとは

4者の連携が継続の鍵…地方のモデルになるか
大会中には大型ビジョンで琉球の選手による応援動画も流された。沖縄市、沖縄アリーナ社、県協会、そして琉球のクラブが密に連携し、年々大会の質を高めている沖縄アリーナカップ。日越会長は「この4者の思いがうまく合致し、頻繁に相談をしながら進めているからこそ開催できる大会です」と強固な協力体制に自信を見せる。
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現在、Bリーグが掲げた旗の下、全国各地で大規模な「夢のアリーナ」が続々と誕生している。
これまでも大型のハコが存在していた都市部では、競合の激しさこそあれど、Bリーグの試合以外にも音楽ライブやMICEなど大型イベントの需要が多く見込めるが、片野氏が「地方のハコをどう稼働させ、地域にとっての価値を生んでいくかは簡単ではありません。私たちも成功という感覚はなく、挑戦を続けています」と言うように、人口規模の小さな地方ならではの活用のあり方は、まだ模索の段階にある。
冒頭でも触れたが、沖縄アリーナカップのような取り組みは、そのモデルの一つになり得るのではないか。
大会を通して地元の学生らの活動を支援し、聖地としてさらに地域に根付いていく。地域創生に貢献して価値が高まっていけば、誘客力が増し、ホームコートとするBリーグチームの観客数や、バスケットボール以外の活用需要の増加にもつながるだろう。
施設の建設主体が官か民かの違いや、その地域にどれだけバスケットボール文化が定着しているかで求めるイベントの色や取り組みのスピード感こそ異なれど、沖縄アリーナカップの開催意図や関係者の連携の在り方は他施設にとっても参考なる点が多いはずだ。
「夢のアリーナ」を負の遺産にせず、長期目線で地域にとって有益な財産にするためにも、沖縄に限らず、各地域でさまざまな活用事例を積み重ねていきたい。
(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)
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