指名漏れから1年…3時間待機、疲れ果てた25歳に突如「夢のような2、3秒」 知念大成、遂に開いた重い扉
プロ野球のドラフト会議が23日都内で行われ、2軍イースタン・リーグに参加して2年目になるオイシックスからは3人が支配下、育成で指名された。2年連続で2軍のタイトルを獲得し、今季はフレッシュ球宴のMVPにも輝いた知念大成外野手は巨人の育成5位指名。会議が始まって3時間を超えたところで突然名前を呼ばれ「自分の名前をちゃんと見ていないんですけど……」ともはや疲れ果てた様子。しみじみと喜びを語った。

2軍タイトルホルダーのオイシックス・知念大成についに吉報
プロ野球のドラフト会議が23日都内で行われ、2軍イースタン・リーグに参加して2年目になるオイシックスからは3人が支配下、育成で指名された。2年連続で2軍のタイトルを獲得し、今季はフレッシュ球宴のMVPにも輝いた知念大成外野手は巨人の育成5位指名。会議が始まって3時間を超えたところで突然名前を呼ばれ「自分の名前をちゃんと見ていないんですけど……」ともはや疲れ果てた様子。しみじみと喜びを語った。
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会議後、新潟市内で行われた会見に登場した知念は「とっても嬉しいです。ハイ」と口にしながらも疲労感をにじませていた。会議が始まったのは午後5時。別室に待機して、名前を呼ばれたのは午後8時になろうとする頃だ。3時間待たされたところで、自分の名前がついに呼ばれた瞬間は「もう最後らへんだったので、ドラフトのテレビを見て騒ぎすぎてて疲れてて……」という状況だった。
「あまり(画面に出た)自分の名前をちゃんと見ていないんですけど、音だけちゃんと聞くことができて……夢のような2、3秒でした」
やっとここまでたどり着いたというのが本心だろう。沖縄尚学高を出て、社会人の沖縄電力で5年間プレー。2軍球団が誕生すると聞いて、超安定企業を辞めて新潟にやってきた25歳。「ドラフト30位でもいいからプロに行きたい」という思いからの行動だった。
NPBの2軍と初めて戦った昨季、いきなり打率.323でぶっちぎりの2軍首位打者。129安打もリーグトップという成績を残した。思い切り振ってもバットに当てることができ、空振り率が低いという特徴は天性のもの。ただ秋のドラフト会議では名前を呼ばれなかった。

「いらない選手だったんです」とまで言って長打を増やそうと試行錯誤。昨年の4本から9本に本塁打を増やした。打点王を獲得し、2年連続のリーグ最多安打。フレッシュ球宴で本塁打を放ちMVPにも輝いた。それでも「手応えとかは全くなくて……」と口にする。「来年に向かって取り組んでいたので、指名された事がびっくりです」。さらに進化するにはどうしたらいいか、実践し始めたところでの吉報だった。
会見に同席した野間口貴彦ヘッドコーチ(元巨人)は「2年連続でタイトルを獲ってもなかなか(NPBの)扉を開けないのは、こちらとしてもこれからどうしたらいいのかなと悩んでいたところ。社会人をやめてここに飛び込んだ成果が出て、ホッとしています」。2軍球団の存在意義を示す指名でもあった。もがき続けた2年間の経験は、きっと球界有数の選手層を誇る巨人でも生きる。支配下昇格を勝ち取る新たな戦いが、すぐに始まる。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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