ラグビー代表支えた前主将、W杯裏舞台激白 逆境いかにして乗り越えたのか
2014年の非情通告を乗り越え、チームの力に
「僕はアイデアを出しただけで、つくってくれたのは代表前キャプテンの菊谷(崇)さんなんです。トップリーグの全チームにコーチや日本代表ゆかりの人やら……初めてビデオを見せてもらったときに『これはいける』と思いました。キャプテンを務めていた菊谷さんも以前、僕と同じような悩みを抱えて代表を去っていった経緯があったので、いろんな意味がこめられていました」
日本ラグビーにかかわってきた人々、トップリーグでプレーする人々……。すべての人が、エディー・ジャパンを応援し、後押ししている。その一つひとつのメッセージが、選手たちの力となった。
「最後のところでタックルに行けるかどうかは、(チームへの)忠誠心だと僕は思っているんです。それを出してもらうための工夫が、あのビデオでした。自分たちの後ろにはこんなにも大勢の人がいて、この人たちが喜んでもらうには明日の試合に勝つしかない。じゃあ自分は何ができるんだと考えたら、思い切ってタックルに行こうってなる。タックルしなきゃと言ってタックルするんじゃない。自分からタックルしたいって思えるような環境をいかにつくれるかだと思ったんです」
廣瀬は生まれながらのリーダーだ。北野高、慶応義塾大学、東芝でもキャプテンとしてチームを束ねてきた。そしてエディー・ジャパン立ち上げ時から2年間、キャプテンとして率いながらも2014年にエディー・ジョーンズHCから「交代」の非情通告を受けることになる。