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ラグビー代表支えた前主将、W杯裏舞台激白 逆境いかにして乗り越えたのか

ケガ、蓄膿、痔……体に表れた異変

 彼は喪失感に悩まされながらも、気持ちを切り替えようとしていた。

「エディーさんは厳しい人だし、凄くいろんな部分でプレッシャーを感じていたのは事実です。でもそれはあくまで“ちょっと”で、(キャプテンを)生き甲斐にしているところが強かったので、それからが大変でした。自分でもベストを尽くしてやってきたつもりだったし、悔しさというのはない。ただ、心にポッカリと穴が空いた感じでしたね」

 体に異変が表れる。ケガ、蓄膿、痔……。ポジションもウイングからスタンドオフに変わり、キャプテンから離れた喪失感や新たなプレッシャーが自分の体に影響を及ぼしていた。

 苦境に立たされた廣瀬は、自分に課せられた使命を思った。そしてハッと気づかされた。

「僕がキャプテンになってエディーさんと一緒に『誇りを持てるチームにしよう』と変えていった部分がありました。そしてやっぱりこの仲間と一緒にラグビーをやりたいという気持ちが強かった。そのためには頑張るしかない。キャプテンじゃなくなって、僕自身がどういう態度を取るかが凄く大事で、それこそがホントの価値が見えるときだと思ったのでもう一度必死になってやっていこうと考えたんです。

 裏方で支えるという違う役割が与えられて、自分自身も違う立場をつくりにいったところがありました。僕にしかできない役割だと思ったし、みんなも僕に対して声を掛けてくれました。代表の仲間もそうですけど、合宿や遠征から東芝に戻ってきたときにチームのみんなも、それと、もちろん家族も温かく接してくれました。一人だけでは乗り越えられなかったと感じています」

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