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比江島慎が示す「Bリーグ代表」の覚悟 EASL参戦中、台湾で吐露した想い「レベルの高さを証明したい」

記者会見で質問に応じる比江島慎【写真:長嶺真輝】
記者会見で質問に応じる比江島慎【写真:長嶺真輝】

国際大会で意識していることは…

 今年で35歳を迎えるが、存在感の大きさは変わらない。進化を続けている、と言った方が適切か。「比江島ステップ」と称される独特なリズムのドライブの威力はそのままに、Bリーグでは2シーズン続けて3ポイントシュート成功率がリーグNo.1となった。

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 強みはそれだけではない。10年以上に渡って招集され続けてきた日本代表で積み重ねた豊富な国際経験は他に類を見ない。

 宇都宮は5月に3度目のBリーグ王者となり、リーグを代表して出場した6月の「FIBAバスケットボールチャンピオンズリーグアジア2025(BCLアジア)」でも優勝。この大会の決勝で、比江島はゲームハイの30得点を挙げた。それを受け、9月にはクラブ世界一を決める「FIBAインターコンチネンタルカップ2025」に参戦した。

 対戦したクラブの国は、BCLアジアがフィリピン、UAE、イラン、モンゴル、レバノン、インターコンチネンタルカップはスペイン、リビア、オーストラリア。今回対戦したチャイニーズ・タイペイを合わせると、短期間で9の国・地域のチームと試合をしたことになる。

 比江島に国際大会で意識している部分を聞くと、「初めて対戦するチームが多くなってくるので、まずは自分たちのバスケをしっかりすることです。Bリーグでやっているように、ディフェンスから試合に入るように心掛けています」と答えた。スタッツを見れば、その遂行力の高さが分かる。

 大歓声に包まれた会場の雰囲気については「個人的に台湾には何回も来ていますが、台湾のバスケに対する情熱は昔から変わらず、やっぱりすごいなと感じました。ああいう素晴らしい声援は選手を後押しするので、相手チームのギアも上がった印象ありました」と振り返る。一方で「個人的に何かプレーに影響したかというと、そういうことはない。ただ、一つのミスで流れが変わってしまうことは改めて実感したので、そこはしっかり準備して戦いたいです」と淡々と語った。

 相手に左右されず、自分たちのプレーを貫く。情報が少ない初見のチームを相手にそれを体現することは容易ではない。安定した活躍は、分厚い経験に裏打ちされたものなのだろう。

 EASLは2023-24シーズンにホーム&アウェー方式となってから3シーズン目を迎える。日本、韓国、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、香港、マカオに加え、今季はモンゴルのチームも参戦し、12チームが東アジアの頂点を争う。3グループに分かれてグループリーグを行い、各上位2チームがプレーオフに進出する。Bリーグからは宇都宮のほか、昨シーズンのBリーグで準優勝、天皇杯優勝の琉球ゴールデンキングスと天皇杯準優勝のアルバルク東京も参戦している。

 昨シーズンのEASLは広島ドラゴンフライズ、その前は千葉ジェッツが頂点に立った。冒頭で記したように、比江島は「Bリーグはレベルが高いリーグだと思っているので、そこをしっかり証明したいと思ってやっています」とBリーグ勢3連覇へ意気込む。惜しくも黒星スタートとなったが、シーズンはまだ始まったばかり。比江島の深い経験は、今後の戦いに必ず生きてくるはずだ。

(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)

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