「本田圭佑の解説」が共感を呼んだワケ ABEMAスポーツ編成責任者に聞くスポーツ中継の未来
最近10年ほどでスポーツコンテンツを取り巻く放送・配信の在り方が、大きく変化を遂げている。かつては地上波で放送されていたプロ野球は有料サービスになったものの、時と場所を選ばずに楽しめるようになったり、最近では世界陸上が地上波でも楽しめながら、インターネット上でハイライト映像をチェックできたり。来年は、ミラノ・コルティナ冬季五輪、WBC、サッカーW杯などスポーツのビッグイベントが数多く開催される中、今後スポーツを巡る放送・配信環境はどのようになっていくのか――。

変わりゆく放送・配信の在り方についてABEMA塚本氏に聞く
最近10年ほどでスポーツコンテンツを取り巻く放送・配信の在り方が、大きく変化を遂げている。かつては地上波で放送されていたプロ野球は有料サービスになったものの、時と場所を選ばずに楽しめるようになったり、最近では世界陸上が地上波でも楽しめながら、インターネット上でハイライト映像をチェックできたり。来年は、ミラノ・コルティナ冬季五輪、WBC、サッカーW杯などスポーツのビッグイベントが数多く開催される中、今後スポーツを巡る放送・配信環境はどのようになっていくのか――。
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2022年FIFAワールドカップカタール2022(カタールW杯)ではABEMAの中継責任者として携わり、MLBなど数々のスポーツ中継を手がける仕掛け人の1人でもある、ABEMA総合編成本部編成統括ライセンス本部・塚本泰隆本部長に話を聞いた。
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インターネットの普及やデバイスの多様化の影響もあり、特に最近10年において、スポーツコンテンツは決まった時間にテレビで観るものから、好きな時に好きな場所で楽しむものへと変化を遂げてきた。世界的に見られる放映権料の高騰という傾向も含め、「市場環境の変化は我々も肌で感じています」と塚本氏は話す。
ABEMAの開局が2016年。同年にはDAZNも日本でサービスを開始し、同じ頃からNetflixやAmazon Prime Videoも日本での普及・拡大に注力するようになった。YouTubeのライブ配信などを含めれば、放送・配信という形でスポーツコンテンツをユーザーの元に届ける手段は圧倒的に増えた。
同時に「なかなか地上波では扱えなかった競技を、有料のOTT(インターネットを通じて動画などのコンテンツを提供するサービスの総称)や我々のような無料のプラットフォームで見せることもできるようになりました」と塚本氏。「この10年くらいで、ユーザーが『ちょっと見たいな』と思った時に映像として届けられているスポーツコンテンツの数と幅は、圧倒的に増えたんじゃないかと思います」と話す。
かつてテレビの地上波放送のみだった時代から、BS放送、CS放送、インターネット配信とスポーツコンテンツを届ける方法の幅が広がり、テレビだけではなくスマホやタブレット、PCなど観る方法も多様化した。おかげで、同時刻に開催される2つのスポーツイベントを1つはライブ、1つは見逃し再生で楽しんだり、日本時間の深夜/早朝に開催される試合を起床後にチェックしたり。すべて無料ではなくても、ユーザーが主導権を握りながら自分に合ったスポーツ観戦を楽しむスタイルが、日本にも定着しつつある。
その背景には「基本的にスポーツ中継とインターネットは相性の良さがあると思います」と塚本氏。だが、同時にスポーツコンテンツを巡り「地上波が果たす役割と配信プラットフォームが果たす役割は違うとも思っています」と言葉を続ける。
「ユーザーが好きな時に好きな場所で、というのが配信の良さ。一方で地上波が凄いのは、お祭りのようにコンテンツに対する瞬間的な熱量を上げることができること。両者が複合的に組み合わさることで、ユーザーが色々と楽しめるというのが最近のトレンドで、今後もそれが続いていくんじゃないかと思います」
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