ペア解消のシダマツ「本当に最後なんだな」 燃え尽き、休養を経て…1年後のパリでかけた銅メダルの価値
“シダマツ”ペアが、思い出の地で挑戦を終えた。パリで行われたバドミントンの世界選手権が8月31日に閉幕。この大会を最後にペアを解消する女子ダブルスの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)は、準決勝で敗れた。松山は、試合が終わると同時に涙を見せた。対戦相手や主審にあいさつをした後、2人は温かい拍手と声援を受け、四方に礼をした。志田は「たくさんの方が見てくれていたんだなと思い、すごく幸せな気持ちでした」と話し、松山は「目に焼き付けておこうと思って、たくさん見渡していました。本当にありがとうございましたという気持ちを、お辞儀で伝えました」と挑戦の最後を振り返った。

お辞儀で伝えた「ありがとう」の気持ち
“シダマツ”ペアが、思い出の地で挑戦を終えた。パリで行われたバドミントンの世界選手権が8月31日に閉幕。この大会を最後にペアを解消する女子ダブルスの志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)は、準決勝で敗れた。松山は、試合が終わると同時に涙を見せた。対戦相手や主審にあいさつをした後、2人は温かい拍手と声援を受け、四方に礼をした。志田は「たくさんの方が見てくれていたんだなと思い、すごく幸せな気持ちでした」と話し、松山は「目に焼き付けておこうと思って、たくさん見渡していました。本当にありがとうございましたという気持ちを、お辞儀で伝えました」と挑戦の最後を振り返った。
【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)
2014年にジュニアナショナルチームでペアを組んでから約11年。苦楽をともにしてきた。2020年に日本A代表入りを果たすと、東京五輪後の2021年後半から一気に成績を伸ばし、躍進した。BWF(世界バドミントン連盟)ワールドツアーで最上級のインドネシアオープンや全英オープンで優勝。年間成績上位者しか出場できないBWFワールドツアーファイナルズでは2度、準優勝している。それでも3度の世界選手権では、準々決勝敗退。メダルを取れず、苦しんできた。浮き沈みもある中で“シダマツ”ペアが輝いたのは、ラストスパートだった。
2023年5月に始まったパリ五輪出場権獲得レースでは、日本勢最上位で出場権を獲得。パリ五輪では銅メダルを獲得した。松山が燃え尽き症候群でモチベーションの維持に苦しみ、25年1月は松山が休養。復帰すると3月に全英オープンで2度目の優勝を飾り、さらに進化する可能性を示したが、帰国後の話し合いの結果、ペア解消が決まった。7月の記者会見では、松山が「これ以上、強くなる自分を想像することができず(ペアを)解消することを決意しました」と話し「志田さんの、もっと高みを目指して、世界一を目指したいという目標を壊してしまうことがとても怖く、解消することが互いの未来のために必要な第一歩だと考えました」と経緯を説明した。発表後は、気持ちが落ち着いた部分もあったようだが、世界一への挑戦は最後まで勢いを落とすことはなかった。
最後のターゲットに決めた世界選手権で初のメダルを獲得した姿は、象徴的だった。世界選手権では、3位決定戦は行われない。準決勝で敗退したが、銅メダルを獲得した。会場は、1年前のパリ五輪で銅メダルを獲得したときと同じポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナ。再び銅メダルを受け取り、世界トップクラスのペアであることを再証明した。志田は「うれしい気持ちもありますけど、もう本当に(シダマツペアとして)最後なんだなと思いながら。そんな気持ちでした」と万感の思いを言葉にした。
大舞台に向け、力を爆発させていく強さがあった。日本代表の大堀均ヘッドコーチも「直前合宿も含めて、本当に一生懸命、最後の最後まで課題克服に向けた努力をし、最後に優勝するぞという意気込みをすごく感じていた。準決勝は本当に残念だったと思います。これが、このペアの最後の姿なのかと、私も非常に感慨深い思いがありました。彼女たちが残してきてくれた軌跡もまた、日本の若手選手に必ず繋がっていくものだと思っている」と、取り組む姿勢を称賛した。
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)










