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Bリーグを駆け巡った驚きのニュース トップチーム率いて20年、ベテラン名将が異例「U18ユース」HCを選んだワケ

Bリーグ界に驚きのニュースが駆け巡った。今月、旧bjリーグとBリーグで20年に渡ってトップチームを率いてきたベテランヘッドコーチ(HC)の浜口炎氏が、B1の強豪である琉球ゴールデンキングスのユースチーム「キングスU18」のHCに就任したのだ。ユースカテゴリーの整備が発展途上にあるBリーグにおいては、一線で指揮を執ってきた指導者がユースに移るのは極めて稀なケースである。55歳。コーチとして脂の乗り切った時期に、なぜ新たな挑戦の場にU18年代を選んだのか。沖縄に居を移したばかりの浜口氏にインタビューした。

55歳。新たなチャレンジへと足を踏み出し、笑みを浮かべる浜口炎氏【写真:長嶺真輝】
55歳。新たなチャレンジへと足を踏み出し、笑みを浮かべる浜口炎氏【写真:長嶺真輝】

“ライバル”だった琉球に入団した浜口炎氏、「興味ありますか?」桶谷大HCからの誘いで決意

 Bリーグ界に驚きのニュースが駆け巡った。今月、旧bjリーグとBリーグで20年に渡ってトップチームを率いてきたベテランヘッドコーチ(HC)の浜口炎氏が、B1の強豪である琉球ゴールデンキングスのユースチーム「キングスU18」のHCに就任したのだ。ユースカテゴリーの整備が発展途上にあるBリーグにおいては、一線で指揮を執ってきた指導者がユースに移るのは極めて稀なケースである。55歳。コーチとして脂の乗り切った時期に、なぜ新たな挑戦の場にU18年代を選んだのか。沖縄に居を移したばかりの浜口氏にインタビューした。

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 ◇ ◇ ◇

 6月中旬のある日、浜口氏のスマートフォンの電話が鳴った。

 表示された名前は、付き合いが20年超に及ぶ深い間柄の桶谷大氏。琉球トップチームのHCだ。昨季、浜口氏はB2のライジングゼファー福岡を率いて西地区優勝を果たしたが、シーズン終了後に双方合意の上で契約解除となっていたため、気にかけた桶谷氏が近況を尋ねてきたのだという。

 会話の最中、ふいに聞かれた。

「炎さん、U18に興味ありますか?」

 次の契約先を模索していた浜口氏は「全然ある」と即答。安永淳一GMにすぐに話を通した桶谷氏から「一度練習を見に来ませんか?」と誘われ、1週間後に沖縄へ飛んだ。その日はU15とU18のチームによる練習試合の日だった。

「選手たちが一生懸命、楽しそうにバスケをしている姿が印象的でした。みんな『コーナーにいるよ』『自分オープンだよ』と声を掛け合い、チームとして大切なことをしっかりと教えられてるんだと思いました」と好印象を受けた。

 その場で桶谷氏や前U18HCの与那嶺翼氏らとも話をして、HCに就任する決意を固めた。最大の理由は、共に働く人たちへの信頼だという。

「大(桶谷氏)や安永さん、翼コーチ、末広くん(琉球U15の末広朋也HC)とか、信頼している人たちが誘ってくれて、単純に『この人たちと働きたいな』と思いました。琉球は自前で選手を育て、トップチームが強豪であり続けるというしっかりとした目標がある。そういうところで働きたかったので、自然な流れで決まりました」

 特に桶谷氏については、20年以上前に互いが米国にコーチング留学をしていた時からの付き合いだ。アリゾナ州立大学でマネージャーを務めていた桶谷氏に対し、浜口氏からコンタクトを取り、同じチームで1シーズン活動した。帰国後はbjリーグ、Bリーグの異なるチームでしのぎを削りながら、「試合をした後に僕の家で食事をしたり、コーチングの話をしたりすることもよくありました」と高め合ってきた。

 桶谷氏も「炎さんはファンダメンタルな部分を重視してくれるし、オフコートでの規律もしっかり指導してくれる。愛知学泉大学での指導歴もあって、大学との繋がりもある。U18のコーチとして適任だと思いました」と信頼を寄せる。

 就任の発表は7月7日。一本の電話から、1か月も経っていない。驚くほどスピーディーに進んだ今回の就任劇は、2人の長年に渡る信頼関係がなければ実現しなかったかもしれない。

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