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韓国も「嫉妬しないと言ったら嘘に」 アジア市場で台頭、Bリーグで覚醒した日本バスケにEASLも熱視線

昨年12月に沖縄サントリーアリーナであった琉球ゴールデンキングス対釜山KCCイージス【写真:長嶺真輝】
昨年12月に沖縄サントリーアリーナであった琉球ゴールデンキングス対釜山KCCイージス【写真:長嶺真輝】

過去の日本と類似…「2リーグ併存」の台湾から関心も

 ビジネス面においては、EASLが最も重視しているのは約14億人もの人口を有する中国だ。自国リーグのCBAこそ参戦はしていないが、バスケットボール人気の高さも含めてマーケットの大きさはアジアで突出しているため、ヘンリー氏は「中国は私たちのビジネス、放送の大きな部分を占めています」と明かす。新たに中国特別行政区のマカオと香港のチームを招へいし、マカオをファイナル4の舞台に選定したこともその理由の一つだろう。

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 スポンサー数は昨シーズンに比べて50%増、放映権料も30%増を達成。試合の視聴者数やソーシャルメディアのフォロワー数も2倍に拡大した。EASLはFIBAが世界各地で主催する大会とは異なり、あくまで一つの民間企業が運営するFIBAの「公認」大会のため、収益や知名度の向上は持続可能性を高める上で欠かせない要素となる。

 その中で、日本も重要なマーケットの一つに位置付ける。

 予選リーグのホーム戦では国・地域によっては空席が目立つような試合もあるが、日本でのEASLの知名度は徐々に高まりつつある。特に3年連続で出場した琉球のホーム戦には毎試合7000人超が駆け付け、Bリーグの公式戦に近い集客力を有するまでになっている。他チームのホーム戦を映像で見る限り、この数字は群を抜いて多いはずだ。

 ファイナル4の会場がマカオと発表されたのが1月中旬だったが、ヘンリー氏は「日本では、ファイナル4の2カ月前にチケットを買ってマカオに飛んだファンもたくさんいました」と振り返り、日本国内でのバスケ人気の向上を強く感じているようだった。

 それは他国の選手も同様だ。

 大会期間中に興味深いコメントを発したのは、記事の冒頭で触れた韓国の選手だ。昨年12月、韓国KBLの釜山KCCイージスが沖縄サントリーアリーナで琉球と試合を行った際、長らく韓国代表でもプレーしてきたチェ・ジュニョンは試合後にこう語った。

「釜山KCCイージスのアリーナも1万人くらい入りますし、すごいアリーナであることは間違いないのですが、沖縄アリーナ(現沖縄サントリーアリーナ)の雰囲気を肌で感じて、ファンの雰囲気や歓声にジェラシーを感じました。嫉妬しないと言ったら嘘になります。韓国バスケと日本バスケを比べた時に、韓国はどちらかというと同じことを繰り返すような文化がある一方で、日本はどんどん新しいことを進めて進化している印象です。自分たちとしても、もっとそういうところを学んでいきたいなと思っています」

 他競技と同様に日本とライバル関係を続けてきた韓国だが、近年は国際大会で結果が出ず、FIBAランキング53位と低迷している。日本初のバスケ観戦に特化したアリーナとして2021年に誕生した沖縄サントリーアリーナの空気感は、競技面だけでなく、バスケ文化の成熟という観点からも差を感じた部分があったのかもしれない。

 台湾もBリーグが開幕する前の日本のように、2つのプロリーグが併存する混沌とした状態が続いており、台湾選手からは「将来的にそのあたりをうまくできたら、もっと発展するのでは…」と嘆き節が聞かれた。広島の浦社長は「台湾の方からは『Bリーグを参考にしている』という話も聞きます。いろいろな意味で、今はBリーグの存在感がアジアで際立っていると思います」と語る。

 ファイナル4の期間中には各国リーグの国際担当やチームのGMらがリレー形式で登壇するカンファレンスも併催されたため、情報交換の場としての機能も担っていた。

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