浦和は美しく紳士的な勝者だったか 済州戦の乱闘騒ぎで思い起こすクラマー氏の言葉
勝者にとっての痛快事は、敗者にとって究極の屈辱
隣国のライバルを相手に劇的な逆転ゴールを挙げ、鮮やかな勝利を飾る。それはホームチームには痛快事だが、立場を変え対戦相手にとってみれば究極の屈辱だ。
もちろん、それを暴力で晴らそうとする行為は、全くの論外だ。しかし勝者が、わざわざそうした切歯扼腕(やくわん)の状態にある相手ベンチ前で、雄叫びを上げれば、済州に限らずブレーキをかけるチームの方が少ないだろう。
浦和は日本を代表する人気クラブだ。世間は、浦和というJリーグの象徴的存在を通してサッカー界を見ることもある。今、多くの父兄の方々は、サッカーが子供を大人に、大人を紳士にしてくれるスポーツだと実感してくれているだろうか。
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加部究●文 text by Kiwamu Kabe