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「この馬がダート界を席巻する」と謳われても4着 チャンピオンズC王道データに該当した強豪馬の“不思議”

サウジアラビアやドバイにもう一度遠征していれば…

 どういうことかというと、今年のチャンピオンズCに出走するレモンポップなら、昨年と今年の南部杯を連覇している。クラウンプライドならコリアCを連覇、ハギノアレグリアスならシリウスSを連覇。芝に比べて、そう多くはないダートグレード競走の場合、息の長い活躍をすると同じレースを使って、しっかりと結果を出すというケースが多いのだが、テーオーケインズはそれがなかった。逆に4歳時に負けたJBCクラシックを5歳時に勝っているのだから、年齢的に衰えて勝てなくなったわけではない。不思議と勝ったレースに2回以上使うと勝てなかっただけなのかもしれない。

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 学習能力が高いからこそ「1回勝ってるから、もうええでしょ」という気持ちになったのだろうか。いや、そこまでの気持ちがあったかどうかは分からないが、逆に勝てなかったサウジアラビアやドバイにもう一度、遠征していれば、ひょっとしたら、という結果になっていたのかもしれない。

「たられば」は馬の世界でも人間の世界でも同じ。後悔してしまう時はいつも結果論でしかない。競馬の予想も全く同じで、外れれば後追いで検証し、満足いく結果になった時だけ「そう思ってたんだよ」と自信満々に胸を張る。これに一喜一憂できてこそ、正しい競馬ファンだと私は思う。

 中京ダート1800メートル行われるチャンピオンズCは過去10回あったが、未だ連覇を果たした馬はいない。ホッコータルマエは1着から5着、クリソベリルは1着から4着、チュウワウィザードは1着から2着、そしてテーオーケインズは1着から4着に敗れた。

 逆に前年以降のチャンピオンズCに出走して負けた後、1着になるケースもある。前年4着から単勝12番人気で勝ったサンビスタ、前年12着から単勝8番人気で勝ったゴールドドリーム。馬券的には「連覇は軽視、前年負け組の人気落ち」という狙い方がチャンピオンズCの王道だ。

 このデータに対して「やっぱりね」と思えるかどうかはレースが終わってから検証するしかない。

(井内 利彰 / Toshiaki Iuchi)

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井内 利彰

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。競馬予想TV!(フジテレビONE)に出演中。JRAの競馬場、ウインズのイベントに出演し、JRA主催のビギナーズセミナーの講師としても活躍。著書に「競馬に強くなる調教欄の取扱説明書」「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」などがある。

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