差別と闘った野球界の偉人 大谷翔平にも重なる意志…50年先の未来を想像させたアトランタの客席
柱に残されたアーロンの名言「最も本塁打を放ったのは素晴らしいが…」
ミュージアムの中央にはアーロンの大きな銅像があり、柱の側面には彼のこんな名言が残されていた。
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「私の考えでは、最も多くのホームランを打った男であることは素晴らしいことだが、打ったホームランを最大限に活用した男であることはもっと素晴らしいことだ」
ルースの記録を超えたのち、栄光にすがることなく引退後も財団を設立。差別撤廃や野球の普及に尽力した。
唯一無二の存在から「ユニコーン」と称された二刀流は昨季、最も優れた打者に贈られる「ハンク・アーロン賞」を日本人初受賞。7億ドル(1014億円=当時)の契約を手にし、母国の小学校2万校にグラブを寄贈した。チームの勝利を猛然と追い求める今、「50本塁打&50盗塁」を達成しようとしている。
客席のブレーブスファンは教えてくれた。「アーロンは『一生懸命、戦うとは何たるか』を見せてくれたのさ。意志の強さだよ」。50年後の野球場にも背番号17がたくさんいるのだろうか。そんな想像が勝手に膨らんでいく。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)