[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ハンドボール新リーグは課題山積のまま船出 寂しい観客890人、短すぎた準備期間…段階的プロ化へ重要な10か月

ジークスター東京がデビューさせたチアパフォーマンスチーム【写真:中戸川知世】
ジークスター東京がデビューさせたチアパフォーマンスチーム【写真:中戸川知世】

観客数の目標は1試合平均1000人…パリ五輪出場は追い風に

 将来的に「世界トップレベルのリーグ」を目指すというリーグHだが、昨年まで48年続いた日本リーグと目に見えて大きく変わるのは「チーム名に地域名をつける」「12歳以下のチームを持つ」くらい。今後段階的に「プロ契約選手11人以上」や「チームの独立法人化」など時間をかけながら進めていくから、劇的に変わることはなさそうだ。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 観客数も目標は1年目の今季が1試合平均1000人。昨年の700人や開幕戦の890人を考えると高いハードルにも思えるが、これも5年後には2000人まで増やすという。東京はもともとエンタメ性を重視した「プロクラブ」だが、他のチームもファンサービスなどに本格的に取り組む必要がある。選手たちの頑張り以上に、リーグやチームの努力がカギになる。

開会式で挨拶するリーグH中村代表理事と並ぶ選手たち【写真:中戸川知世】
開会式で挨拶するリーグH中村代表理事と並ぶ選手たち【写真:中戸川知世】

 日本リーグ4連覇の大崎電気で活躍し、20年に東京に移籍した元日本代表主将の信太弘樹は「僕が日本リーグに入ったころ(12年)とはハンドボール界も変わった。ただプレーするだけから。今は見てもらうことも意識するようになりました」と話した。企業チームだけでなくクラブチームも誕生し、移籍も活性化。日本代表が36年ぶりに五輪予選を突破したこともハンドボール界の追い風になっている。

 とはいえ、同じアリーナ球技のバスケットボールは16年にBリーグが発足し、26年には「Bプレミア」が始まる。バレーボールも来月にはプロ化を目指してSVリーグが開幕する。信太は「バスケやバレーは、もっと変わっている。魅力的な試合で多くの人に来てもらってリーグHを成功させないと、完全に置いて行かれます」と危機感を口にした。

 開幕戦を終えて中村代表理事は「観客が少ないのは残念。もっと露出を増やして、リーグHを周知しないといけない」と厳しい表情で言った。それでも、新リーグはスタートを切った。14チームが争う男子に続き、7日には11チームの女子が開幕。来年6月のプレーオフで、初代王者が決まる。リーグH、いや日本ハンドボール界にとって大事な10か月が始まった。(荻島弘一)

(THE ANSWER編集部)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集