「0対100の9回からでも逆転できる」 五輪から外れた今、大真面目に語る「野球が人を育てること」――野球・G.G.佐藤
「グラウンドで『馬鹿野郎』と言っているコーチはいます」
長所を活かし、短所を補い合えるのも野球の魅力。少年野球指導では、ここを強調するという。
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「例えばテストで95点取っても、足りない5点を言う人っているじゃないですか。それは違う気がしていて。仮に得点が5点でも、当たったその5点って長所じゃないですか? そこを極めればいいと思っています。
『欠けているところはどうするの?』と言われたら、人の力を借りなさいって言っています。野球っぽいですよね。ホームランバッターがいれば、出塁するバッターもいる。そんなところ(短所)補わなくていいよって」
週に3度、小学生との触れ合いで目の当たりにしているのは、想像以上の「野球離れ」だ。
野球をしている子どもが1学年1~2人なのも珍しくない。キャッチボールも、自分が子どものころに比べて満足にできない子どもが増えた。
「やっぱり、情報が多いからじゃないですか。いろんなスポーツに触れられるし、すぐできる時代だから野球に限らない。他の競技は頑張ってますよ。野球は胡坐かいちゃダメ」
ドジャース・大谷翔平が海の向こうで大活躍。昨年はWBC優勝の歓喜もあった。プラスの要素も多いが、学生に対する指導面、環境面にはまだまだ改革が必要だと力説する。
「野球は難しいので、やっぱり個人差が出ちゃうんですよね。低学年が試合をやっても試合にならないから、学年でルールを変えるとか、野球離れが進まない取り組みが必要だと思います。髪の毛が伸ばせるチームが出たり、だいぶ良くなったと思いますけどね。でも、たまにグラウンド横を走ったら『馬鹿野郎』とか言っているコーチはいますよ。『お前、できねえだろ……』と思いますけどね」