「頑張っても無理と諦めかけていた」 31歳で初の五輪へ、柔道・角田夏実を変えた大学時代の分岐点
一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が、3月11日に年間表彰式「UNIVAS AWARDS 2023-24」を開催。他の規範となる活動を行った新入生を表彰する「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」のプレゼンターを、柔道女子48キロ級のパリ五輪代表、角田夏実(SBC湘南美容クリニック)が務めた。「皆さんもこれからたくさんの悩みだったり、壁にぶつかると思うのですが、その時は1人で抱え込まずに、周りの方の助けを借りて壁を乗り越えていってほしいなと思います。苦しい時こそ諦めずに向き合う心を忘れずに、これからも頑張っていってほしいなと思います」と学生たちにエールを送った角田に表彰式後、あらためて自身の学生時代について尋ねた。(取材・文=松原 孝臣)
「UNIVAS AWARDS 2023-24」に登壇し現役学生にエール
一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が、3月11日に年間表彰式「UNIVAS AWARDS 2023-24」を開催。他の規範となる活動を行った新入生を表彰する「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」のプレゼンターを、柔道女子48キロ級のパリ五輪代表、角田夏実(SBC湘南美容クリニック)が務めた。「皆さんもこれからたくさんの悩みだったり、壁にぶつかると思うのですが、その時は1人で抱え込まずに、周りの方の助けを借りて壁を乗り越えていってほしいなと思います。苦しい時こそ諦めずに向き合う心を忘れずに、これからも頑張っていってほしいなと思います」と学生たちにエールを送った角田に表彰式後、あらためて自身の学生時代について尋ねた。(取材・文=松原 孝臣)
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パリ大会が初めての五輪出場となる角田は現在31歳。中学、高校時代は決して図抜けた成績を残していなかったが、コツコツと成長を続け、日本代表として国際大会で活躍する存在に。2021年からは世界選手権3連覇を遂げ、世界屈指の柔道家に昇りつめた。
柔道界では異例の遅咲きと言える年齢で大舞台の切符をつかみ取った角田だが、その足跡を刻むことができたのは、大学時代が大きかったという。
「高校の時の最高成績は2年生の時のインターハイ(全国高校総体)3位で、それ以上の成績は出ませんでした。頑張っても無理かなと諦めかけていたんですけど、東京学芸大学に進んでいろいろな先輩に出会い、さまざまな考え方があるのを知りました。柔道もいろいろな視点で見ることができるようになって、みんなと同じことをしていても自分の力を伸ばすことはできないと思いました」
そこで柔術やサンボを経験し、自分らしい柔道を磨いた。
「その大学時代があって、今の自分があると思います」
大学時代は取り組む姿勢にも変化があったと振り返る。
「高校と大学で変わったのは、やらされる練習ではなくなったのも大きいと思います。自分で研究したり、自分からこういう練習を取り入れたいと考えて取り組みました。監督が話を聞いてくれたのも大きかったですね。自分に足りないものは何か、自分の強みは寝技だから立ち技と寝技の連係を、といった話も親身に聞いてくれました。1人ひとり、それぞれの強みとかがあると思うんですけれど、それをしっかり見てくれる大学でしたし、和気あいあいとした部活だったので、それも頑張ることができたきっかけだったと思います」