世界の野球発展へ、日本ができること 普通の練習も新鮮に映った欧州代表コーチの願い
元オリックスのマエストリ氏も期待「NPBが指導者を派遣してくれたら」
47歳のカマルゴ氏は、オーストリア1部リーグのダイビング・ダックスで監督を務める。イタリアとブラジルの二重国籍を持ち、両国で代表を経験。1998年から2002年まで5年間、社会人野球・三菱重工広島でもプレーした。日本で学んだ野球を欧州に広めているが、知識のある指導者不足も実感している。
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カマルゴ氏が口にしたチェコの例は、最高の形かもしれない。昨年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での対戦をきっかけに、ロッテが2023年に「マリーンズ-チェコ ベースボールブリッジプログラム supported by PanasonicHVAC Company」を開始。今年の春季キャンプには同国代表のアレックス・ダーハク打撃コーチをコーチング・インターンシップとして招待した。
今回、欧州代表として来日したチェコ代表のパベル・ハジム監督やマルティン・ムジーク内野手は、日本野球に刺激を受けるだけでなく、侍たちとの交流に目を輝かせた。もちろんWBCの奮闘ぶりもあって母国でも注目を浴びるなど環境が変化。カマルゴ氏は言う。
「こういった繋がりが、欧州や他の地域に貢献する最良の方法だと思います。もし日本から私のチームに支援するよ、と言ってくれる人が現れたら、夢のようです」
2012年から15年までオリックスでプレーしたアレサンドロ・マエストリ氏も、今回は投手コーチとして欧州代表入り。「もし日本人が欧州でアカデミーを開いてくれたら素敵だね。あるいは、NPBが指導者を毎年派遣してくれたら嬉しい」と期待していた。
WBCを3度制し、世界でも有数の国内リーグを持つ日本は間違いなく“野球先進国”だ。野球が世界で発展していくために、日本にかかる期待は大きい。そのためにできることは多くあるはずだ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)