「シャカシャカ」の音を追いかけて お台場に響いたサッカーキッズの歓声と足音
保護者も感謝「『よくできたね』と言ってもらえて自信をつけてくれる」
子どもたちのレベルはさまざま。しかし、共通するのは「スポーツを楽しもう」という姿勢だ。子どもたちは転んでも、すぐに立ち上がり、音がする方へ耳を頼りに力強く駆け出した。もちろん、安全面は周囲が最大限に配慮している。そして、ネットが揺れると、そのたびに大歓声が上がる。そんな姿に、充実感に溢れていた。ここに、このイベントの最大の意義があった。
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この日参加した19人の内訳は全盲6人、弱視13人。盲学校では児童数が少なく、チームでスポーツを楽しめる機会が少ない。一方、普通学校に通う弱視の児童は体育の授業に安全面から制限がかかり、目いっぱいに運動できないこともあるという。しかし、ここに来れば、一つのサッカーボールが仲間と大人をつなぎ、全力でコートを走り回ることができる。ボランティアとして参加した女子代表選手も、もともとはこの場所から巣立った選手だ。
盲学校に通う田中雄大君(小4)は「試合が楽しかった。ボールを取ることができた。また参加したい」と声を弾ませた。父の茂雄さんも「親だとどうしても『もっとできる』と思って、褒めてやれないこともあるけど、ここでは『よくできたね』と言ってもらえて子どもが自信をつけてくれる。盲学校では学年の人数も少ないので、こうしてみんなと仲良く喜びを作らせてもらえます」とイベントに感謝した。ピアノも習っている雄大君は「どっちも頑張りたい」と力強く語った。
最後は子どもたち、コーチ、ボランティアが集合写真に納まった。並んだのは大人も子どもも関係のない笑顔。「シャカシャカ」を追いかける力強い足取りが、アイマスクの向こうに新たな可能性を広げてくれる。
(THE ANSWER編集部)