【アジア大会ライター取材日記】女子ホッケー日韓戦、熱戦の後に見た涙の抱擁
韓国選手は元同僚の日本選手と涙の抱擁「次は勝って、日本と一緒にメダルを取りたい」
ところで、相手の韓国は、日本のソニーでプレーしていた金寶美(キム・ボミ)選手が先発出場していました。金選手は「韓国も準備はできていたけど、今日は日本の方が良かった。それは、認めないといけない。私たちは、決定力が足りなかった。今日のことは、今日で終わり。次は勝って、日本と一緒にメダルを取りたい。お互いに勝って、明後日は一緒に写真を撮りたい」と話し、試合後には日本代表のスタッフや選手と日本語で話す姿も見られました。試合中に額を負傷して包帯を巻いてプレーしていた瀬川真帆選手(ソニー)とは、ともに涙を浮かべて抱擁。金選手は「私がソニーにいたときの一番下の子。久しぶりに会ったけど、頑張っているなと思った。お姉ちゃんみたいな気持ち。スティックが当たってケガをしたと聞いて、心が痛かった」と気遣っていました。
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ライバル国に金メダルの可能性を断たれた悔しさを抱えていても、それを抑えて笑顔を見せたり、相手を気遣ったりできる金選手の懐の深さを感じながら、アジア大会らしい光景だとも思いました。一緒にプレーしたり、何度も戦ったり。アジアという近い距離だからこそ生まれやすい経験が、スポーツを通した交流を深いものにしています。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)